第54話 敵か味方か?謎のライダーマン
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んですけど――」
エイミィを睨むように風見志郎が尋ねる。その顔には狂気が篭っていた。
「志郎さん!」
「す、すまない……デストロンと聞くとつい――」
やはりそうすぐには復讐の怨念を取り払う事は難しいようだ。
「それで、内容は?」
「はい、このポイントに潜伏しているので助けて欲しい……だそうです」
「何だいそれ? 今更助けてくれだなんて虫が良すぎる話だよ!」
最もな事だ。アルフが怒る理由も頷ける。
デストロンは今まで何人もの罪無き人々を殺してきた。それが今更になって助けて欲しいなどどう考えてもおかしい。
「待ってよアルフ。助けを求めてるなら助けに行かないと」
「フェイト〜。相手はあのデストロンなんだよぉ? もしそれが罠だったらどうすんのさぁ?」
「だったら俺も一緒に行こう」
名乗り出たのは志郎であった。
「志郎さん」
「相手がデストロンならば話しが早い。どっちにしろ動けないのだからとっちめて奴等のアジトの場所を洗いざらい吐いて貰うさ。もしそれが罠なら、罠ごと叩き潰す」
「あ、あはは……何か怖いね……あんた」
怒りに燃える風見志郎にアルフは正直震え上がった。今の風見は並々ならぬ怒りをその身に宿しているのだ。
「しょうがない、今度はあたしも一緒に行くよ」
「お前もついてくるのか? 足手まといにだけはなるなよ」
皮肉掛かった言葉を投げ掛ける志郎。
それを聞いたアルフがムッとした顔をする。
「何言ってんだい? 新米が偉そうな顔すんなっての」
「はっ、それじゃお手並み拝見させて貰いますよ。先輩」
忽ち睨み合う両者。その間でしどろもどろするフェイト。なんともギクシャクしたメンバーであった。
「このメンバーで大丈夫だろうか?」
不安の絶えないクロノであった。
***
「此処がそうか」
志郎ら三人は指定されたポイントにやってきた。其処は既に廃棄された家屋であった。所々ヒビ割れており壁にはコケすら生えている。とても人の居る気配はない。
「ねぇ、これって誰か居るのかい? あたしにはどうも人が居るとは思えないんだけどさぁ」
「うん、もしかして悪戯だったのかなぁ?」
「待て! 二人共隠れろ」
志郎が二人に指示する。一瞬戸惑うも二人共すぐに茂みに姿を隠す。
家屋からぞろぞろと現れたのはデストロンの怪人と戦闘員達だった。どうやら情報はガセでは無かったようだ。
「あれはデストロン怪人……一足違いだったか!」
舌打ちしながら三人は家屋内に入る。其処は正に惨状であった。
辺り一面蜂の巣となった跡があり、家具類は滅茶苦茶にされておりその中に三人の科学者達が横たわっていた。
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