暁 〜小説投稿サイト〜
妖刀使いの滅殺者
第3話
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「ただいまー」

「レイ!どうだった?≪ラグーラビットの肉≫は!?」

明らかに興奮しているようだ

「あせんなって…つかアイテムは共通なんだから自分で開けばいいだろ」

俺の目の前の少女はハッとして左手を振った。心地よい音と共に半透明の青いアイテムウィンドウが開く
少女は慣れた手つきで素早く≪ラグーラビットの肉≫を取り出した

「やったー!レイ!おいしい料理、期待しててね!」

「あぁ、それと、アスナがお前に渡してくれって」

「あっ。ありがと」

アイテムを取り出して渡すと彼女はキッチンに急いで駆け込み俺はソファに座りこんだ
俺はたった数枚で出来た新聞を読んでいるとキッチンの方から軽快な鼻歌が聞こえてきた。その鼻歌をBGMにして、ダイニングに置いてあったコーヒーメイカーでコーヒーを淹れる
ちなみに俺の好みは砂糖なしのブラックだ。別に甘いものが嫌いな訳ではないが、飲むならば苦い方が良い
コーヒーを飲みながらゆったりと鼻歌を聴いていると、歌と共に≪ラグーラビットの肉≫の良い香りが漂ってきた。この世界、仮想世界とは言え、不思議なことに食べ物の良い香りがすれば腹が減るし時間が経てば眠くなる

「レイー。そろそろ出来るから、あれ用意しといて」

「りょうかーい」

あれとは、簡単に説明すると、ミュージックプレイヤーの事で、リアル世界の音楽から、自作の曲も入れる事ができる優れものだ

「準備できたぜー」

「オッケー。じゃレイのお誕生日会はじめよっか」

俺はミュージックプレイヤーことラウンドハッピーのスイッチを入れた
すると軽やかなポップスが流れ出す

「レイ!お誕生日おめでとー」

「ありがとう」

料理の蓋を取ると、肉の良いにおいが部屋いっぱいに広がった

「すげーうまそうだ!」

「ふふ。どうぞ、召し上がれ♪」

「いただきます!」

俺は目の前の煮込みシチューを口いっぱいに頬張った

「どう?」

「すげーうまい!」

ほんとはもっと言うことあるだろうがこれだけで十分だった
俺はその後もシチューを頬張り続けた

「もう、くえねぇ…」

「ふふッ。お粗末さまでした」

自分で食べた食器だけでなく、俺の食器もさげてくれる

「レイ、はいどうぞ」

綺麗にラッピングされた箱をくれる。もちろんアスナにもらった箱とは別だ

「?あけても良いか?」

「えぇどうぞ」

ラッピングをはずして箱を開封すると中には指輪が入っていた

「これって…」

「左手、装備開いてるでしょ?そこにつけて欲しいなって…この前はレイがくれたから、今度はわたしから」

指輪の内側には文字が彫られていた。どうやらオーダーメイドのようだ


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