第四幕その二
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ないんだし」
「そうか」
「それじゃあ」
だが噂をすれば何とやら、部屋の扉が急に開きそこからそのムゼッタが飛び込んで来た。相変わらず赤い派手で高そうな服を着ていた。
「なっ!?」
「おい、何でここに」
ロドルフォ達はいきなりやって来たその姿を見て一斉に立ち上がった。
「私のことはいいから」
「いいからって」
「いきなり言われても」
汗をかき、肩で息をしているムゼッタを見て驚きを収めることは容易ではなかった。彼女のこんな姿は今まで誰も見たことがなかったからだ。
「それよりもミミを」
「ミミを!?」
「ええ、何とかここまで連れて来たけれど」
「待ってくれムゼッタ」
ミミの名を聞いてロドルフォが最初に落ち着きを取り戻した。
「今。ミミって言ったよね」
「ええ」
「ミミが。どうしたんだい?」
「彼女は子爵の息子と別れたのよ」
「どうしてだい?」
「決まってるわ、貴方と会う為よ」
こうロドルフォに告げた。
「僕と」
「ミミの身体のこと・・・・・・知ってるわよね」
「うん」
その為に別れることを決意したのだ。知らない筈がなかった。
「そのせいよ」
「子爵の息子に捨てられたのかい?」
「違うわ。自分から離れたのよ」
「どうしてそんなことを」
「馬鹿っ」
ムゼッタはロドルフォの鈍さに切れた。
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