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ヴァレンタインから一週間
第14話 俊扇登場
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っては幸せな結末に至る可能性の方が高いのですが。

 何故ならば、一九九九年七月と言うのは歴史のターニングポイントで有りますから。

 有希の知って居る歴史ならば、未来人朝比奈みくるの手引きで、そのキョンと呼ばれる存在と涼宮ハルヒとの出会いに因って世界に何らかの変革がもたらされるらしいのですが、一九九九年七月と言うのは、それ以前に、長大な時間と労力を費やして人類滅亡と言う歴史から、別の世界へと流れを変えさせた歴史の変換点でも有ります。
 もし、其処の時間を、何度も何度も同じような理由で改竄され続けると……。

 まして、その世界を滅ぼしたのは、世界戦争でも無ければ、隕石の衝突などでも有りません。
 それは、異世界からの侵略。



 その異世界から顕われた彼らの前には、科学力など無意味。核兵器すら大きな被害を与えられない存在の前に、人類は為す術など存在しては居ませんでした。

 そう。外なる神と呼称される存在たちの侵略に晒された人類。そして、世界の防衛機構が弱体化していた為に、生み出される事の無かった能力者たち。世界の危機の際に生み出される希望。一代限りの異能者たちが顕われなかった世界。

 その世界にも、確かに昔は異種。龍種や幻想世界の生命体。吸血鬼や鬼、妖精、精霊などに代表される存在の血を引く者達も居ました。
 しかし、奴ら……外なる神が顕われた時には、既に多くの家系は失われ、歴史の彼方に消え去り、残された者たちが抗い続けましたが、最終的には――――――――。

 しかし、最後の、本当に最期の瞬間に、二人の女性が、一人の少女を過去の時間へと送り出す事に成功したのです。
 たったひとつの希望の種子。それが、水晶宮。いや、天の中津宮。そして、ヘブライの神にすら伝わる御伽話。

 そして、一九九九年が無事に過ぎた事により、完全に終了したと思われていた昔話。

 しかし……。
 涼宮ハルヒと言う名前の少女。俺が出会った時の感想を言わせて貰うのならば、躁鬱が激しく、感情に振り回されがちな少女と言った雰囲気。黒き豊穣の女神(シュブ=ニグラス)の種子を受け継ぐに相応しい器と言えるでしょう。
 そして、偽名を名乗る事もなく現代社会で暮らして行ける名づけざられし者(ハスター)の属性と、次元移動能力と言う門にして鍵(ヨグ=ソトース)の能力を持つ存在の邂逅。
 まして、その日付が一九九九年七月七日。全世界的に有名な預言者が予言した月。世界が変わる事を望んだ、生者と死者すべての想いを受け取った呪い。

 但し、その願いは黒き意志で捻じ曲げられ、穢されていたようですが。

 成るほど。今までの話を要約すると、未だ、黙示録は継続中と言う事ですか。まして、外なる神のメッセンジャーには妹が居たはずです。
 確か、キョ
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