第14話 俊扇登場
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させる。
そう。これから先に何が起きるか判りませんから。少なくとも、向こうの世界では、ここは俺に取っての敵地では有りませんでしたが、この世界ではどうなるか判りません。
それならば……。
「それで、和田さんの話と言うのが、俺と有希がここ、この世界の仙族の集まる場所に呼ばれた理由と考えて良いのでしょうか」
最初の質問はこれからでしょう。そう考えてから、代表して俺からの問い掛けを行う。もっとも、それ以外に理由は存在していないとは思うのですが。
少なくとも、彼らが居るのならば、俺がラゴウ星を相手に戦う必要は無く成ったと言う事ですから。
但し……。
俺はそう問い掛けながら、同時に右隣に座る少女を意識する。そう。もし、彼女に刻まれたルーン文字と、俺の瞳の色が変わった事とが、このラゴウ星が顕われた事象が関係するのなら、この西宮の伝承に語られている内容に従ってこの事態……天魔ラゴウ悪大星君が顕われると言う異常事態を俺と有希の二人で解決しない限り、ルーンの刻まれた通り、彼女が泡と成って消えて仕舞う可能性が有る、……と言う事でも有ります。
しかし、俺の問い掛けに答える前に、
「その前に、少し質問させて貰っても構いませんか?」
和田亮と名乗った青年が、有希を瞳に映しながらそう問い掛けて来ました。これは、俺に対する言葉などではなく、有希に対する言葉と言う事なのでしょう。
その問い掛けに対して、無言で首肯く有希。彼女の表情は普段通り透明な表情のまま。其処からは、何の躊躇いも感じる事は有りませんでした。
「長門さんの監視対象の内の一人。涼宮ハルヒさんの方ではなく、今、貴女のマンションの和室で時間凍結を受けて居るキョンと呼ばれている少年について問いたいのですが」
監視対象。妙な表現を使用しましたが、高次元意識体らしき存在が送り込んで来た人工生命体の少女の監視対象と言うのは一体、どのような存在なのでしょうか。一人目の涼宮ハルヒと言う名前の少女は、おそらく、昨日、図書館で出会った色々な意味で不思議な少女の事でしょうが、もう一人の方。キョンと呼ばれた少年。こちらの方もかなり、興味深い人物なのですが。
まして、わざわざ、有希のような存在を送り込まずとも、夢などの手段を通じて接触する手段も有るはずなのですが。有希を送り込んで来た存在が、俺が考えている高次意識体だと仮定するのならば。
何故ならば、深淵を覗く時、深淵もこちらを覗いている、の言葉通り、意識と無意識の狭間より、神や悪魔と呼ばれる存在も現れる物ですから。
その上、有希の部屋の和室で時間凍結を受けて居る。何か、非常にややこしい話のような気もするのですが……。
「彼の本名について、宇宙誕生と同時に誕生した、……と自称して居る情報統合思念体
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