3 「★『アオアシラの侵食』2nd stage + ????」
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あたしの弓の邪魔なのよ! ただでさえ叶わない相手なら、遠距離から安全に狙ったほうが生き残り易いに決まってんでしょ!? あたしは隙を見て逃げるから、あんたはチェルシーとハーヴェスト抱えてさっさと逃げなさい!」
「でも!」
「逃げるニャ、リーゼにゃん! ご主人の好意を無駄にしちゃダメニャ!」
「…ッ! すぐ応援呼んでくるから!!」
リーゼロッテは踵を返し、一目散にベースキャンプへと向かう。ポーチから緊急発煙筒を出して、着火の紐を引こうとした。その後を負うように、リオレイアが突進する。
「くっ! こっちを狙いなさいよ!」
頭、翼膜、尻尾、足。どこに狙っても矢は雌火竜に微々たるダメージをも通していなかった。
「こっち来なさい! なんで狙わないの!? リーゼ! 危ない!!」
まだ16の少女の1歩と、竜の一歩、それも【陸の女王】と呼ばれるリオレイアの一歩では、歩幅は倍以上に違う。エリザの牽制も虚しく、リーゼロッテはレイアの巨体に踏み潰される――そのとき。
リーゼの体が誰かに掬われた。
ガアアア?
確かに踏み潰したと思ったのに、直前で餌が消えた。リオレイアは頭をキョロキョロと振って、逃げた得物を探した。
「え……?」
「……だ、れ…?」
思わず目をつぶって痛みを覚悟したリーゼロッテも、腕に当たる暖かい人肌に薄目を開ける。エリザのかすれた声を、耳が拾った。
「間一髪……ってとこか」
リーゼロッテの視界を、“黒”が埋め尽くした。
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