3 「★『アオアシラの侵食』2nd stage + ????」
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ず笑いがこぼれた。後ろにいる青熊獣のことなど忘れてしまいそうになる。
「あはは、何なのよこれ…ギルドの報告ミス? 笑わせるわね」
2人の前に立つもの。
大きな緑色の翼には白い斑点がいくつか見られる。それが意味するのは、彼女は飛竜――食物連鎖の頂点に立つ者であるということ。
しかし最も恐ろしいのは、彼女が得意とするのは陸上戦であることだ。その足で恐るべき威力の突進を繰り出す。
「【陸の女王】がなんで渓流にいるのよ!?」
「――雌火竜、リオレイア」
震える声で目の前に立つ竜の名を口にするリーゼロッテ。チェルシーから受け取ったぐったりしたハーヴェストは胸に抱えたまま、立ち尽くしていた。
グアアアアアアアアア!!!!!!!
怒りの炎を秘めた金の眼がこちらに向くと、一歩踏み出しバインドボイスを繰り出した。
ビリビリと震える大気。頭にガンガンと響くそれに、大きな隙が生まれると分かっていても、思わず耳を塞がずにはいられない。チェルシーなどは体が軽いので、後方に吹っ飛んだ。
「…に、逃げなきゃ!」
先に意識が覚醒したのはエリザだった。となりを見ると、ガクガク震えながらも放心したようにリオレイアを見上げるリーゼロッテがいる。腕を引っつかむと、なりふり構わず引っ張り走り出した。途中気を失っていたチェルシーも蹴っ飛ばしてたたき起こす。
「ギニャ――!! もうダメニャ! 死ぬニャ! なんでこんなとこに飛竜がいるニャ――!!?」
「いいから逃げるわよ!!」
背を向けて走りだそうとした、次の瞬間。ハッと左から迫り来る緑色の何かに気づくが、もう遅かった。
「ッ! リーゼ!!」
リオレイアの尻尾回転攻撃だった。リーゼロッテを突き飛ばした瞬間、脇腹に堅い棘が叩き込まれる。ボキ、と骨が折れる音が体に響いた。直後吹っ飛ばされ、木に叩きつけられる。辛うじて受身はとったものの、激しい痛みに気が遠くなる。呼吸をするたび痛みを強く感じた。
(流石に…アオアシラ程度の防具じゃ折れる…か……)
なんとかリーゼは攻撃範囲のぎりぎり外にいたようだった。ちなみにチェルシーは身長の関係で頭上を素通りしたようで、安心する。
「エリザ!」
「あたしはいいから、さっさと逃げなさい!」
痛みをこらえてなんでもないように立ち上がると、背中にしまっていたハンターボウUを流れるような動作で組み立てた。キリキリと引き絞ると、もう半回転し終わったリオレイアの頭に三連射する。
「この至近距離で…弾くわけ……ッ!?」
苦笑いを浮かべながらも、転がるようにリオレイアの足元を通過して後ろに回る。
痛い、痛い、痛い。
バクバクと心臓が破裂しそうだった。
「近接のあんたがいると、
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