3 「★『アオアシラの侵食』2nd stage + ????」
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少女。だが、直ぐにそれを振り払った。
(なんでエリザなんか頭に浮かぶんだろ。誰があんなやつと組んでやるもんですか! あっちだってきっとそうよ。願い下げに違いないわ)
そんな余計なことを考えていたから、リーゼは気づかなかった。アシラとの間に多少の距離が空いていたことに安心して、
アオアシラが両腕を大きく振り上げていたことに。
通称“ベアハッグ”
ドスファンゴを覗く牙獣種に総じて見られる攻撃である。
短い距離を一気に詰めつつ攻撃するそれは、後方に大きく吹き飛ばされる上に、与えられるダメージも大きい。
「きゃあああああ!!」
攻撃を受けた瞬間と吹き飛ばされたあとの衝撃がリーゼロッテに襲いかかる。全身を丸めて衝撃に耐え忍ぶが、痛みの余韻に浸る間もなく立ち上がらなくてはいけない。ハーヴェストがいない今、完全にソロでこのアオアシラを討伐しなければいけないのだ。
「あぐっ」
丈夫と名高いユクモの倒木に背中を強かに打ち付ける。ガン、と音がして頭にも強い痛みを感じた。どうやら遠心力に負けて頭もぶつけたようだった。
(まずい……)
ふらふらしていてとてもじゃないが走って逃げれる状況じゃない。明滅する視界の中で、アシラは突進の準備とばかりに威嚇をしていた。
なんとか木に手をついて立ち上がるも、一歩踏み出すだけで吐き気がこみ上げてきた。
「うあっ」
アシラが地面の振動とともに突進してくる。少しでもこの牙獣から逃れようと、本能でのけぞると、昨日の雨のせいかぬかるんでいた土に足元を掬われ、倒木のむこうがわへと転げる。体が悲鳴をあげたが、倒木のおかげでなんとか突進の直撃は阻止できていた。
だが、それとてただの時間稼ぎ。すぐに再び攻撃を始めるだろうアシラに、だがもうリーゼロッテの体力も気力も、限界に近かった。
次の瞬間、空を切る音が聞こえた。
ヒュンッ…ドドドッ!
ガアアアア!!
「なにボサッとしてんの! 早くこっち来なさい!」
「エ、エリザ!?」
まさかここで聞くことになるとは思わなかった声に思わず狼狽するが、今はそれどころではないと思い出した。だいぶ落ち着いてきた痛みにしっかりした足取りでエリザの元へと行けた。その間エリザはずっとアシラを牽制する矢を打ち続けている。
「チェルシー!」
「ハーヴェスト回収完了ニャ!」
「よし! 引き上げるわよ。あんた走れるわね、リーゼ!」
だがそれに答えるリーゼロッテの声は、どこまでも弱々しい物だった。まるで、全てを諦めてしまったような……
「……無理だよ……」
「何言ってんのよ! このあたしが助けに来てやったんだか…ら……嘘でしょ……?」
後ろを振り向くとしゃがみこみたくなる現実に、思わ
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