3 「★『アオアシラの侵食』2nd stage + ????」
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再びアオアシラとまみえたのは1時間後、エリア5だった。
蜂蜜を貪っていたアシラに後ろから奇襲をかけたのが悪かった。タイミングがいけなかったのか、それともそういう習性なのかわからないが、アオアシラが怒り狂ってしまったのだ。昼よりも激しい攻撃に、再びリーゼロッテは防戦一方となっていた。
「くぅ!」
太刀をその腕の頑丈な甲殻に弾かれ、大きな隙を見せる。しまった、と思う間もなくリーゼロッテは殴り飛ばされた。
「きゃああああ!!」
追撃の突進をしようと身構えたアシラの前に、小さな影が立ちはだかる。
「こ、こ、こ、こっちニャ! かかかかかかってこいニャ! くく熊めぇ!」
ガクブルガクブルしながらも必死に標的をずらそうとするアイルーに、アオアシラは狙いを定めたようだった。うまくいったことにホッとしつつも、今度はハーヴェストが逃げ回らなくてはいけない。
「ぶニャ――!!」
アシラの突進で後ろに逃げる奴はただの馬鹿だ。
そうどこかで習ったことを辛うじて思い出し、アシラから見て横に横にと走り続ける。が、あまりの恐怖にパニックになってしまった。とにかく走らなきゃという意思と、逃げたいという本能がぶつかり、とうとうその場で8の字を描き始めてしまった。
「ハーヴェスト!」
こうなるともう興奮が収まるのを待つしかない。だが、アオアシラはそれを悠長に待ってやるほど優しくもなかった。
グワアアアア!!
しなる両腕をブンブン回しながら前進していく。最初の1撃は遠かった。2撃目はたまたま隙間をくぐり抜けた。3撃目、かすった。が、まだ余力はあるようだ。すぐ起き上がる。
やった!
「よしっ!」
しかし、普段通りなら3回の筈の連続ひっかきが、怒り状態になると4回になるということを、この時リーゼは完全に失念していた。
4撃目――
「ニャンッ!!」
悲鳴とともに、ハーヴェストの小さな身体が空を舞う。二度三度くるくると勢いよく転がってからパタリと力尽きた。
「ご主人…申し訳ないニャ……」
「ハーヴェスト!!」
邪魔な獲物を倒したアオアシラは、今度はその殺気立った目をリーゼに向ける。一瞬怯むも、再び太刀を構えると踏み込み斬りからの突き、斬り上げ、といったところでアシラが右腕を上げていることに気づき、咄嗟に斬り下がりで間を保つ。直前までリーゼがいた場所を鋭い爪が風切り音とともに通った。
ごくり…
思わず唾を飲む。これからは一瞬たりとも油断できない。常にアシラを視界に収めて、いつどのような攻撃が来るか備えなければならない。こんな時にモンスターの全体像を常に見ながら攻撃できるガンナーが欲しい、とリーゼは思うのだった。
チラリと頭に浮かぶのは藍色の長髪の
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