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ラ=ボエーム
第三幕その五
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・・・・・・」
「けれどもう決めてしまったから。花が咲くのと一緒に」
「僕達も」
「貴方のことは忘れないわ」
「僕だってそうさ」
 ミミをじっと見ていた。
「何があっても」
「ずっと覚えておいてくれるのね」
「だって僕は君が何よりも好きだから」
 彼は言う。
「忘れたくはないから」
「私もよ」
 それはミミも同じである。
「貴方といられた時間、忘れないわ」
「有り難う」
「この浮気者!」
「看板描き!」
「マムシ!」
「ヒキガエル!」
「魔女!」
「悪魔!」
 マルチェッロとムゼッタはその後ろでまだ罵り合っていた。もうショナールとコルリーネにもどうしようもなかった。ロドルフォとムゼッタは雪の振る暗い朝の中じっと抱き合っていた。冬を名残惜しむかの様に。

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