邪神
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そうなん……って、え?」
キリトが声を上げるとリーファは解説する。
「アルヴヘイムの地面を貫いた根っこが、ヨツンヘイムの天井から垂れ下がってるわけ。つまりこの邪神は、ヨツンヘイムの外周じゃなくて真ん中に向かってるのよ」
「ふうむ……。世界樹は俺たちの最終目的地だけど……ここからあの根っこ登って地上に出るルートとかないのか?」
「馬鹿か、お前は。空も飛べないのにどうやって、あの根っこまで行くんだよ」
「そりゃあ、お前がいつもどうり壁を跳ねて」
「無理だ。こんなだだっ広い場所ではそこまで使えん。リーファはなんか知ってる?」
「あたしは聞いたことないよ。第一、私も初めて来たんだから知るはずないでしょ」
そう言うとため息をついた。そしてキリトは切り替えるようににかっと笑って言った。
「ま、今はこのゾウムシだかダイオウグソクムシだかに任せるしかないさ。竜宮城に歓迎されるのか、それとも今日の朝飯にされるかわからないけど」
「ちょ、ちょっと待ってよ。なに、そのダイオウ何とかって。それを言うならゾウかクラゲでしょ」
「どっちでもいいだろ!そんなんだったら名前つけろよ!」
「ああ。それがいいな」
「いいね。じゃあつけよう。可愛いやつ」
ゲツガがそう言うとキリトとリーファはそう言って名前を考えた。そしてしばらく沈黙した状態で一番最初に言ったのはキリトだった。
「じゃあ、トンキー」
ゲツガは苦笑してキリトに言った。
「それってちょっと止めとかないか?」
「……あたしもそう思う。あんまり縁起のいい名前じゃないと思うし」
「そ、そうかもな。ぱっと頭に浮かんだんだけど……」
「まあ、俺が言うことじゃないか」
「たしかにね。じゃあ、それにしよう!」
そう言ってリーファはゾウクラゲの邪神の背中を叩いて言った。
「おーい邪神君、君は今からトンキーだからねー」
しかし、返事が帰ってこない。それをOKと取ったのかユイもトンキーに声を掛けた。
「トンキーさん、はじめまして!よろしくおねがいします!」
すると偶然だろうか、頭の横についている耳ともエラとも取れるものがわさわさと動いた。
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