邪神
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だしてこちらへと近づいてくる。リーファはゲツガとキリトの袖を掴んで言った。
「君達、速く逃げ……」
リーファがそう言い終える前に大きな水音が遮った。
「来たか……」
ゲツガはそう呟いた。水音を立てた正体は先ほど巨人にやられていた象クラゲであった。象クラゲは水に入ると二十本もの肢を一斉に伸ばし巨人の身体に巻きつけた。巨人は水の中ではあまり自由に動けず引き剥がすことができない。
「そ、そうか……。あの邪神は元々、水棲タイプの邪神なのか!」
「そういうわけ。だから、俺らはこいつに自分の有利な状況を作るために手伝っただけだ」
象クラゲの邪神は水を得た魚のごとく巨人の邪神を水の中に沈めて攻撃を繰り返す。そして今度は胴体が青白く発光すると、光は形を細くしてスパークになり、二十数本の肢から巨人を襲う。
「あっ……」
「よしっ!」
「勝ったな」
三人はそう言うと同時に巨人のHPが急激に減る。そして巨人の断末魔なのだろうか、水面が赤く瞬き、幾つかの水柱が立つ。そして、ぼるぼるという雄叫びが聞こえなくなると同時に水面にすさまじい規模のポリゴン爆散エフェクトが巻き起こった。
「邪神もでかかったけどポリゴン片もでかいな……」
そう呟いて水面を見るとぷかぷか浮かぶ象クラゲの胴体が勝利してうれしいのか雄叫びと同時に動いている。そしてその後、こちらに向かって近づいてくる。
「……で、これから、どうするんの」
キリトが近づいてくる象クラゲを見ながら呟く。
「俺が知るはずないだろ。リーファ、どうする?逃げるの?戦うの?」
「考えてなかった……」
そう言ってリーファは引きつった表情で言った。もう既にゲツガ達の目の前にいた。そして、象クラゲは鼻をゲツガ達の方に伸ばしてくる。ゲツガは戦闘できるように弓に矢を持っておく。矢を番えようとするとキリトの肩にいるユイが言った。
「大丈夫です、パパ、お兄ちゃん、リーファさん。この子、怒ってません」
「はっ?」
声を出したと同時に象クラゲの鼻に掴まれた三人は勢い良く地面から持ち上げられる。
「ひええええっ」
キリトは情けない声をあげる。鼻から離されると背中に落とされた。背中に着地すると落ちないようにバランスを取ろうとするが背中に毛が生えていて安定していた。そして象巨人はゲツガたちを乗せた後は何もなかったように歩き始めた。ゲツガ達は顔を見合わせる。そしてキリトが呟いた。
「何かわからないけど……クエストの開始点ってことか……?」
「わからん」
「うーん……クエストだと、始まった時点で視界の左上あたりにスタートログが流れるはずなのよね……」
リーファは視界の端っこ辺りを手でひらひらとさせ
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