第1話 気が付けば使い魔!?
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少なくともこいつらは泥坊のような目的で俺をココに連れてきたわけじゃなさそうだ。
そのことを2秒かかっているか分からない速さで確認していると、中年男性とルイズという少女が気になることを話し始めた。
「なんだね。ミス・ヴァリエール」
「あの! もう一回召喚させてください!」
そしてその言葉に男性は首を横に振る。
「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!?」
「決まりだよ。二年生に進級する際に、君たちは『使い魔』を召喚することになっている。今、やっているとおりだ。――それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、それにより専門課程へ進むのだ。一度呼び出された『使い魔』は変更できない。何故なら、この使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。好む好まざるにかかわらず、彼を『使い魔』にするしかない」
「でも! 平民を『使い魔』にするなんて聞いたことがありません!」
ルイズがそう言うと、再び周りが爆笑する。ルイズは笑っている人たちに睨みつけるが、それでも笑いは収まらない。
そんな笑い声たちも、今の俺の耳には聞こえなかった。
使い魔召喚? 彼を使い魔にするしかない? 何言ってるんだ、この人たち?
でも、何かいやな予感がする。
「これは伝統なんだ、ミス・ヴァリエール。例外は認められない。彼は……」
そこまで言って中年の魔法使いモドキが俺に指を差し。
「ただの平民かもしれないが、呼び出された以上、君の『使い魔』にならなければならない。古今東西、人を『使い魔』にした例はないが……、春の使い魔召喚の儀のルールを優先する。彼には君の『使い魔』になってもらわなくてはな」
「そんな……」
話を聞き、ルイズはがっくりと肩を落とす。
今の内だ! と思い、俺はそ〜と逃げ出そうとすると――
「さて、では、儀式を続けなさい」
「えー、彼と? ……って、こら! 逃げるな!」
「ぐえっ!」
――ナイロンパーカーの首元をルイズに捕まれ、逃げるのに失敗した。
「そうだ。早くしないと、次の授業が始まってしまうじゃないか。君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだい? 何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんじゃないか……いいから早く契約したまえ。今みたいに逃げられてしまうよ?」
中年に後に合わせて、そうだそうだ、という周りの声が飛ぶ。
そして、ルイズが困った顔で俺の顔を見つめてきた。
な、何されるんだよ、これから……。
「ねえ」
「な、なんだよ」
「何、その口の聞き方……って、今はいいわ。それよりあんた、感謝しなさいよね。――き、貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
それからルイズは諦めように目をつむり、手に持っていた小さな杖
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