第一章
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「トンネルから抜け出る感じだけれどね」
それでもだと言う沙耶香だった。
「色々としがらみもあるけれど」
「それでもですか」
「ええ、今のトンネルを抜けてね」
そしてだというのだ。
「未来に出られるわね。ただね」
「ただ」
「このカードをよく見てくれるかしら」
沙耶香はゆかりにその吊るし人の逆のカードを見せた、見れは確かに立ってはいるがそれでもだった。
両手が後ろに縛られている、表情は晴れやかではないが暗くもない、見れば見る程不思議なカードである。
そのカードを見せられたのだ、そのゆかりの言葉は。
「何ていいますか」
「不思議よね」
「はい、とても」
ゆかりに対してもこう言う。
「立っていますから明るい筈なのに」
「表情は晴れないわね」
「そうですね。暗くもなく」
「そして両手は縛られてるわね」
「自由なのは片足だけですね」
「この状況についてどう思うかしら」
「そうですね」
難しい顔になって答えるゆかりだった。
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