第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「このソフトだけれど」
「ソフトを差し込んでゲームをするのはわかったね」
「わかってるよ、けれどこれは」
「そのソフトだけじゃないよ」
そうだというのだ。
「他にも一杯あるからね」
「こんな面白いものがまだ一杯あるんだ」
「しかも次から次に出てるからね」
「そうなんだ」
「だから凄いんだ、凄く面白いんだよ」
「日本に行けば幾らでもこんなゲームが手に入るのなら」
カトエルはゲームをしながら恍惚として語った。
「幾らでもね」
「楽しめるね」
「これはゲームの革命だよ」
カトエルはこうまで評した。
「ここまで面白いとね」
「思う存分やるといいよ」
サトエルは友人として笑顔でカトエルに話した。
「そうしてくれるといいよ」
「わかったよ、それじゃあね」
カトエルはもうファミコンに病み付きになっていた、そして。
ファミコンを同僚の天使達にも勧める、すると彼等も驚いてこう言った。
「何だこの面白いゲームは」
「これを人間が作ったのかい」
「しかも面白いソフトが幾つもあって」
「これは凄いね」
「素晴らしいよ」
「いや、このゲームがあったら他のゲームはいらないよ」
「これで充分遊べるよ」
彼等もまたファミコンの虜になった、そしてだった。
天界の誰もがファミコンに夢中になった、神もまた然り。
テレビでゲームをしていつも言っていた。
「うむ、このゲームは許せぬ!」
「神よ、一体どうしたんですか?」
「そのソフトはどうだったのですか?」
「下らん、最悪のゲームだ」
プレイしながらの言葉だ。
「操作性が悪くゲームバランスイは最悪だ、酷いゲームだ」
「ですが神よ、熱心にしておられますが」
「それは何故でしょうか」
「わからぬか。下らぬソフトにこそ味があるのだ」
血走った目で画面を見つつ熱い言葉を出す神だった。
「こうしたゲームを人界では何と呼んだか」
「はい、クソゲーです」
「人間達はそう呼んでいます」
天使達はこう神に答える。
「神が今しておられる様なゲームをそう呼んでいます」
「それ専門のゲーマーまでいるとか」
「許せぬ、これ程酷いゲームを作るとは」
神は怒りながらも遊び続けている。
「最後までしてやり徹底的に神の裁きである酷評を下してやろう」
「では我等もそのゲームをしましょう」
「クソゲーを」
天使達はそのゲームもするのだった。クソゲーも人気だった。
カトエルはシューティングに夢中だった、それでコントローラーのボタンを必死に連射してこんなことを叫んでいた。
「必殺五十連射だ!」
「おい、十六連射じゃないのか」
「五十か」
「僕は天使だよ、人間以上の力があるからね」
それでだというのだ。
「五十連射も出来るよ」
「それでな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ