第二章
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「ちょっと助けさせてもらいたいんだよ」
「一体どういうつもりなんだ」
「まあまあ。最近君はスポーツはしてるかい?」
「身体を鍛えることはしているさ」
所謂鍛錬だ、天使は悪魔と戦うことも多いので日々鍛えているのだ。
「それはね」
「じゃあ趣味で身体を動かすことはどうかな」
「そのことは」
「ふむ。していないみたいだね」
サトエルはカトエルのその顔を見てすぐに見抜いて述べた。
「そうだね」
「それが君に関係あるのかい?」
「だからないよ、堕天使としてはね」
その立場ではというのだ。
「しかし友人としてはね」
「あるっていうんだね」
「そうだよ。まああの神は堅苦しいからね」
実はサトエル達堕天使が天界を去ったのはそれが理由だ、天界のあまりもの堅苦しさと融通の効かない正義に疑問を感じてだ。
だからサトエルもまた堕天使となった、そのことに悔いはない。
それでまた言ったのである。
「今は天界にいないんだよ」
「その御前。いや君が僕の趣味についてどう言うんだい?」
「人間の世界で一つ面白い遊びがあってね」
「賭博や爛れた宴ならいいよ」
「そのどっちでもないから安心してくれ」
「違うというんだね」
「ただ。テレビとコンピューターがあれば出来るよ」
そうしたものだというのだ。
「その二つがあればね」
「テレビねえ」
「それとコンピューターだよ」
「一体何なんだ」
「人間の世界に日本と国があるね」
サトエルは人間の世界のこの国の名前も出した。
「この国は知ってるかな」
「東方の島国じゃないか。中々信者が増えないけれど」
「その日本にファミリーコンピューターというものがあってね」
サトエルは話を動かしてきた。
「それはどうかな」
「賭博でも宴でもないんだね」
「そのどっちでもないよ。テレビとコンピューターで遊ぶものだからね」
そのどちらでもないというのは間違いなかった。
「そのことは安心していいよ」
「ファミリーコンピューターねえ」
「略してファミコンだよ」
こうも言う彼だった。
「それをやるんだよ」
「ファミコンね」
「何ならテレビとそれを今ここで出すけれど」100
「そうだね」
カトエルは一呼吸置いてからサトエルに答えた。
「それじゃあ今からね」
「やるんだね」
「見せてみてくれるかな」
まずはそうしてくれだというのだ。
「今から」
「よし、それじゃあね」
サトエルは早速それを出してきた。そして。
カトエルはテレビにその赤と白のコンピューターをつないだ、そのうえでやってみた。
その彼にサトエルはそっと尋ねた。
「どうだい?」
「これは」
「面白いね」
「こんな面白いゲームがあったのか」
カトエルは驚きの顔で
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