第三章
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「俺はチャンピオンになります」
右手を拳にして言い切る。
「それも最高のチャンピオンに」
「最高のチャンピオンっていうとあれか」
ホークも彼のその言葉を聞いて返した。
「俺みたいなか」
「超えていいですか」
ハルトマンは笑って言ってきた。
「ホークさんを」
「俺をか」
「チャンピオンを目指すのなら」
それならとだ、ハルトマンはその強い目で語る。
「これまでにないチャンピオンになりますから」
「だからか」
「貴方以上のチャンピオンになります」
なりたいではなかった、なるだった。
「そうなりますので」
「そうか。それじゃあな」
ホークもその言葉を受けた、そうしてだった。
ハルトマンを見はじめた、彼は自分の言葉とホワイトの見立て通りだった。
デビューするや否や破竹の勢いで勝ち進んでいった、そして瞬く間にだった。
世界チャンピオンになった、彼はベルトを手に叫んだ。
「このまま何処までも上り詰めてやる!」
こう叫んだのである、ホークもその姿はテレビで観た。
そのうえで数日後セコンドを務めていたホワイトと店で飲みながら話をした、そのうえで言うことはというと。
「俺以上かもな」
「そこまで凄いっていうんだな」
「ああ」
こう確かな声で言ったのである。
「あの強さはな。ただな」
「ただ?」
「あいつを見ているとな」
ここでこう言った彼だった。
「ずっと前に引退したけれどな」
「それでもか」
「ああ、そうだよ」
こうホワイトに言うのである。
「戦いたいな」
「チャンピオンとしてかい」
「引退したけれどな」
現役時代と比べてかなり太ったりそれ以上jに歳も取っている、だがそれでも言うのだ。
「やってみたいな」
「カムバックするっていうのかい」
「駄目か?ふと思ったんだがな」
「難しいだろ、それは」
ホワイトは首を捻りながらホークに述べた。
「流石にな」
「やっぱりそうだよな」
「あんたは確かにチャンピオンだった」
言葉は過去形だった、既に。
「けれどそれはもう十年以上前だろ」
「ああ」
「それだけ経つとな」
歳を取っている、だからだというのだ。
「もうボクサーとしてはな」
「戦えないな」
「まして相手がハルトマンだろ」
「あいつと戦いたくなった」
「余計に難しいよ。あいつはかつてのあんたと同じだよ」
チャンピオンだというのだ、しかも。
「最高のチャンピオンだよ」
「そのあいつと戦うことはか」
「カムバックだって無理さ」
もうその時点でだというのだ。
「まあ諦めてな。夢と思ってな」
「この話はなかったことにしてか」
「飲もうぜ」
ホワイトは笑ってバーボンを一杯差し出した。
「ステーキもあるぜ」
「現
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