二十五話〜最終回〜
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を娘にしてしまったら、私の事を忘れて娘と仲良くしていると思われて、お母さんは私に恨まれる。と思ったんでしょ? いえ、実際に言っていたから間違いないわ。合ってる? ……お母さんがフェイトを遠ざける理由が私が原因になってるってことで』
「それは……」
恐らくほとんどの言葉が合っていたのだろう。
言葉が詰まるばかりのプレシアを見て、アリシアは困ったように笑みを浮かべながら溜め息を吐いて、テスタロッサにこちらに来るように手招きをした。
すると、テスタロッサはおずおずとその後をついてゆく。
その表情は実はプレシアが娘だと思っていたことを知って少し嬉しそうであるのと同時に、不安気でもある。
『お母さん。私ね、もう死んでいるから本当はここにいちゃいけないの。ここに長い事いたら可笑しくなっちゃうんだ。それでもここに居続けたのはね……まだ生きているお母さんに私の所為で残りの人生を無駄にして欲しくないから……。そして、私の所為でフェイトが苦しんで欲しくないからなんだよ……。ねえ、お願い。お母さんもフェイトも仲良く暮らしてよ。……じゃないと私はこれから成仏するのに……安心出来ないよ』
アリシアが泣きそうな顔で二人を抱きしめようとするが、幽霊であるために抱きしめられない。それにプレシアが涙を流しながら何度も頷く。
「ええ……。ええ……。ちゃんとフェイトを幸せにしてみせるわ。……アリシアもフェイトも私の大事な娘よ」
プレシアがフェイトを抱き寄せて、アリシアも触れられないとしても抱きしめるようにして、泣きながら言った。
『そう……。これで、安心して……いける……』
その言葉にアリシアは満足そうに頷き、その体からは光の粒子がポロポロと天に昇るように溢れ……とうとう、アリシアの存在全てが光の粒子となって昇天した。
「アリシア……」
プレシアがフェイトを抱きしめたまま天を仰ぎみていると、リンディさんが近づいて来た。
「プレシア・テスタロッサ。あなたを逮捕します。大人しくついてきてくれますね?」
「ええ……」
そして、その場所から去ろうとしたその時、次元震を抑えていたリンディさんのディストーションシールドが限界を迎え、破壊された。
「っ!? 母さん!?」
その影響により床が割れて穴が生じる。
かろうじてフェイトとリンディは穴―――虚数空間―――に落ちないように回避出来たが、弱り切っているプレシアは避けきれずに落ちていく。
……まだ、間に合う。
空間魔法で、鉄板を取り出し、全力で走って虚数空間に飛び込む。
そして、プレシアを掴んで遠心力の要領でグルリと勢いよく回って上に放り投げる。
上手くいったかどうか、結果は見ずに鉄板を足元に置いて素の脚力でジャンプする。
その虚数空間から普通の空間まで
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