二十五話〜最終回〜
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にリンカーコアの機能が代償によって停止されているため、バリアジャケットは着ていない。
だから俺は一気に飛び降りずに途中途中に見える段差を足掛かりに飛び移って降りていく。
「こんなはずじゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは、個人の自由だ! だけど、自分の勝手な悲しみに、無関係な人間までも巻き込んでいい権利は……どこの誰にもありはしない!!」
そして、プレシアに向かって語り続けてきたクロノが最後に叫び終えると、プレシアは一瞬考え込むような動作を見せ……咳き込むと同時に吐血した。
「っ! 母さん!!」
―――お母さん!!―――
「……何をしに来たの」
辛辣な言葉でテスタロッサの足は途中で止まる。
「消えなさい……。もうあなたに用は無いわ」
テスタロッサを冷酷に突き放すその言葉に負けず、彼女は前を……母の目を真っすぐ見据えて言葉を紡ぐ。
「あなたに言いたいことがあって来ました」
俺はテスタロッサから一歩引いた位置に立った。
彼女の……いや、彼女達の想いをしっかりと最後まで見届けるために。
「私は……アリシア・テスタロッサじゃありません。……あなたが作った、ただの人形なのかもしれません」
彼女にとって受け入れがたい真実を受け止め、尚且つ言葉を紡ぎ続ける。
「だけど……私は、フェイト・テスタロッサは……あなたに生み出してもらって、育ててもらった……あなたの娘です!」
その言葉を放った瞬間にテスタロッサは石を砕いた。
そして、テスタロッサの想いを聞いたプレシアは唐突から笑い声が漏れ始め、始めは小さなものだったが、徐々にその笑い声は大きくなっていき……収まった。
「だから何? 今更あなたを娘と思えと言うの?」
「あなたが……そう望めと言うなら……」
私はそれでもかまわない。そう言おうとしたのだろうか。
だが、その言葉は途中で中断された。
『いいえ、フェイト。あなたが望もうが望むまいが、お母さん……大魔導士プレシア・テスタロッサの娘であることに変わりは無いわ』
ここにいる全員の頭に直接語りかけるような声がどこからか響く。
同時にテスタロッサの体から、まるで幽体離脱をするかのように彼女と瓜二つの金髪の少女がふわりと浮き出る。
「……もしかして、あなたはアリシア?」
『せーいかいっ。あなたのお姉ちゃんのアリシア・テスタロッサだよ。こうして顔を合わせるのは初めてだね! いつも、フェイトとアルフが時の庭園で一生懸命に頑張ってるのを傍で見てたよ!』
怒涛の勢いで喋り続けるアリシアに若干たじろいでいるテスタロッサ。
そして、信じられないものでも見るかのように目を限界まで見開くプレシアだったが、やがて正気に戻ると、アリシアへと駆け寄ろうとする
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