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若作り
第五章
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にしか見えないから」
「でしょ?これで高校三年だから」
「ううん、声変わりもしてないけれど」
 見れば喉仏もない、完全に子供だ。
「それでもなのよ」
「そうなの、幾ら何でもこれはないでしょ」
「あんたのお姉ちゃんより凄いわね」
「こういう人もいるからね」
 直美も困った顔である。
「正直今の私でもよね」
「うん、負けてるわ」
 瑠璃子もこう直美に返す。
「問題外なまでにね」
「直美、どうしたんだよ」
 その兄が言ってくる。
「それでさ、僕に何か用かい?」
「いや、来てもらっただけだから」
 直美はこう兄に返した。
「けれどお兄ちゃんってね」
「またその話かい?外見のことは幾ら言っても仕方ないよ」
「そうだけれどね。それにしても」
 妹は笑う兄にその困った顔で返す。
「お兄ちゃんには負けるわ。このままずっと若く見られていくのね」
「直美もそうなったと思うけれど」
「それでも限度があるから」
 こう言うのだった、直美はその兄には困った顔で言うばかりだった。


若作り   完


                   2012・12・30
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