第五章
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い絵はないよ」
これがヘンリーの返答だった。
「この世で最も恐ろしい絵と言われているけれどね」
「その評判は伊達じゃないわね」
「全くだよ、そしてあの絵が何故怖いかというと」
「人の心を描いているからよ」
ゴヤがそうしたからだ。
「だからよ」
「自分の血を分けた子供を責め苛む親のその心を」
「だから怖いのよ、あの絵は」
「そういうことだね、そしてそれは僕達がいつも観ているもので」
「この世に溢れているものだね」
「何処にでもね」
「怖い絵だけれど一番怖いのは」
ヘンリーは顔を顰めさせて言う。
「やっぱり」
「あの絵の世界が何処にでもあることよ」
「そういうことだね、嫌な世の中だよ」
「そうね。けれど何とかしないと減ることはないから」
その嫌なものがだというのだ。
「私達が頑張らないとね」
「そういうことだね」
ヘンリーはリエのその言葉に頷いた、そのうえで次の仕事に向かい嫌な思いをしながら嫌な話を少しでも減らしていくjのだった。
子を喰う親 完
2013・1・28
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