第二章
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「けれどそれ以上にな」
「んっ、ビキニか?」
「それかよ」
「いや、競泳水着なんだよ」
彼の浪漫の第一はこれだった。
「俺はな」
「スタイルが出るからか」
「それでだよな」
「確かにスクール水着もいいさ」
健一もそれは否定しない。
「けれどな」
「競泳のあのシンプルでいて露出は少ない」
「けれどスタイルははっきり出る」
「あれがいいんだな」
「下手なビキニよりもいいだろ」
こうまで言うのだった。
「ビキニは確かに露出が多いさ。けれどな」
「露出の多さに頼っている」
「それだけか」
「ビキニはスタイルが多少まずくても見られるんだよ」
この辺りは意外な事実である。
「けれど競泳水着はそうはいかないからな」
「スタイルが完全に出るからか」
「そこが違うか」
「ああ、だから好きなんだよ」
そのスクール水着がだというのだ。健一も何だかんだで年頃の男の子であり浪漫はあった。だが話は彼等だけで行っていた。
少なくとも彼等はそのつもりだった。女子はグラウンドの遠くにいると思って油断していたのも事実である。
だから女子がひっそりと聞いているとは思わなかった。
敵もさるもので地獄耳だった。彼女達は聞いていないふりをして聞きながらこんなことをひっそりと話していた。
「今時ブルマなんてね」
「あんなのパンツじゃない」
彼女達から見てもそうだった。
「ショーツで体育なんてできないわよ」
「あんなので体育とかしたら性犯罪起こるわよ」
「男子生徒だけじゃなくて先生もいるのに」
「っていうか昔よくそれで変な事件起こらなかったわね」
「全くよね」
まずはブルマの話だったが見事なまでに全否定だった。
「ブルマは駄目よ」
「あんなのはけないから」
「やっぱりこれでしょ。ジャージよ」
自分達が今はいているジャージも見る。
「動きやすいし露出も少ないし」
「しかも冬暖か」
「汚れても平気だしね」
「ジャージは女のこの守り神よ」
「夏は夏でね」
そのジャージの下にはいているものの話にもなる。
「半ズボンかスパッツがあるし」
「半ズボンでも足披露してあげるんだから感謝しなさい」
さりげなく男子の方も見て言う。
「女の子の生足は宝なんだからね」
「流石に下着姿は見せられないけれど」
ブルマのことである。
「それでもよ」
「半ズボンとかスパッツでも結構冒険だからね」
「足見せるから」
「それにね」
体操服からこの話題になった。
「スクール水着ねえ」
「何で男ってあれ好きなのかしらね」
「あんなの普通じゃない」
「全然露出ないじゃない」
女には女の浪漫がある、彼女達にとってスクール水着は浪漫ではなくそれに浪漫を求める男達の考えが理解できなかったのだ。
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