GGO編
百十三話 問いかける少女
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そんだけの話だ」
「……そっか」
そう言うと、二人は再び黙り込む。そのまま数分の時が過ぎ……やがて……
「さて……行くか」
「うんっ……」
リョウが立ち上がるのと同時に、アイリも勢いよく立ちあがった。
その様子を見つつ、少しばかり呆れたようにリョウは言う。
「しかしまぁ……親友の為っつったってお前も怖い物知らずだよな」
「あはは……そんな事、ないよ」
しかしそれに、アイリは首を横に振った。
「怖いのは……今だって怖いよ……凄く、ね……」
「…………」
「でも、それ以上に知りたいってだけ……あ、えと、死んだりするつもりはないからね!?」
「当たりめぇだ、阿呆」
慌てたように言ったアイリに、リョウは馬鹿にするように言って、背を向けると歩きだした。アイリはシュンとしたように俯き、リョウの背に続く。と、そんな背中から、アイリに声が飛んで来た。
「自分で言ったんだ。お前、死ぬんじゃねぇぞ……何聞いても、前には出るな……お前に死なれちゃ、俺も困る」
「えっ……」
目を丸くして、顔を上げてリョウの背を見る。
その背中はそれ以上何も言わずに歩いていたが……何となく、何処か自分を守ろうとしてくれているようにも見えた。
「リョウ……」
「あん?」
「……ありがとね」
「意味分からん」
二つの人影が、洞窟の外へと進んで行った。
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