GGO編
百十三話 問いかける少女
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明るくして自分を見たアイリを、リョウが睨む。
「ただし、俺の前にはあんま出るな。お前は銃で援護を基本にしろ。んでついでに言っとく。死ぬな」
「う、うん……」
半ば恫喝するような威圧感で言ったリョウに、二の句も次げずにアイリは頷いた。
と、其処にシノンが入り込む。
「ね、ねぇ……?」
「なんだ?……あ、まさかお前まで……」
「そうじゃなくて!……あの、だったら何もキリトの事こっちに来させなくても、私一人で闇風を……」
「んー……」
シノンの言葉に、リョウは考え込むように俯いた。と、顔を上げると、少し鼻を鳴らして言う。
「お前を信用しねぇ訳じゃねぇけどな……ただよ、遮蔽物の多い都市方面で戦う事を想定すんなら、お前一人よりアイリかキリトを付けた方が確実だと思うんだよな」
「それは……そうだけど……」
言いながらシノンは悩むように俯いた。恐らくは、アイリに生命の危険がある事を心配しているのだろうと思えた。と、詩乃が元来、他人とあまり積極的に関わることは無い物の、本質的には思いやりのある子であった事を涼人思い出した。
「まぁ、よ、仮に死銃とやりあってる時にアイツに乱入されて来たんじゃ、どんな危険があるかなんざ分かったもんじゃねぇ……それを考えりゃ、闇風には確実に止まってもらう必要がある訳だ……」
言いながら、リョウはシノンの顔を覗き込んで、ニヤリと笑った。
「だからまぁ、頼むぜ。お前らがアイツに勝つって信用してりゃ、俺は後ろ気にせずやれるんだ。そうなりゃ……先ず負けはねぇからよ」
「…………」
その全く揺らぎの無い言い草に、シノンはポカンと口を開け、少し苦笑して言った。
「凄い自信」
「まぁな」
相も変わらずニヤリと笑って言うと、シノンは軽く呆れたように肩をすくめて……アイリを見た。
「まったく……アンタも大概よ……死ぬかも知れないって言うのに……」
「あははは……なんか、ごめんね?色々と……」
窺うように言ったアイリに、少し不機嫌になったようにシノンは小さな溜息をついた。
「別に良いわよ……アンタが行くのはアンタの勝手だし……勝手……だけど……」
「?」
そ、そこで言葉に詰まったようにシノンは言うと、少しだけ目を反らした。
「ただ、その…………行くのは勝手だけど、死なないでよね……」
「……!」
その言葉に、一瞬驚いたように、アイリは眼を見開く。そして少しだけ俯いてフルフルと震えると……
「あっ、りがとー!!」
「きゃあっ!?」
いきなり正面切ってシノンに抱きついたかと思うと、何かスリスリしだした。殆ど反射的に無理矢理アイリをひきはがしたシノンを、アイリはうらめしそうに見る。
「ちょ、いきなり何してんのよ!?」
「うー!だってシノンずっと冷たかったのに行き
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