第3話『翠屋』
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「んん〜!美味しい!」
「…」
なのはは大好きなまぐろ饅を頬張り、クロウは小銭だらけになった所持金を暗黒面な顔をして見つめている…。
「クロウくん、食べないの?」
そんなクロウに無垢な笑顔を向けるなのは。自分が原因だと露とも思わず……
(買っちまった物はしょうがないか…)
結局、仕方ないとクロウはまぐろ饅に口をつける。
ああ…なんて美味しいんだろう…。こんな食事…したのは何時以来か……
「クロウくん、泣いてるなの?」
「ああ……これが自分の血と汗の味なんだなって…」
「?」
思わず涙を流すクロウに首を傾げるなのは。無理もない、まだ彼より年下の幼い彼女がこんな彼ならではの比喩が理解できる訳がない。
「クロウくんの血と汗ってまぐろ饅みたいに美味しいの?」
「はは…んな訳ないだろ。」
「??」
【助けて!】
「「!」」
その時、クロウとなのはの頭の中に声が響く。おそらく少年…そして、クロウはこの声には聞き覚えがあった。
(確かこの声…スクライア!)
自分が船に乗った時、一緒にいた少年、ユーノ・スクライアの物だ。つまり、それは彼はワームホールに巻き込まれながらも生きておりこの近くにいるということだ。
「あれ…今の……」
「!」
「あ、待ってクロウくん!」
この声に戸惑うなのはであったがクロウはそんな彼女に目もくれず、声の発信元に急ぐ。なのはもまたその後を追う…。
「どこだ!どこだ、ユーノ!」
【ここです!】
近くの藪を必死に掻き分け彼を捜すクロウ…。
そして…
「む?」
見つけたのは一匹の首から赤い真珠(?)を紐で引っさげて倒れているフェレットらしき生物。
「ユーノ…スクライアなのか?」
【その声!確かクロウさんですね!】
どうやらこの生物があのユーノという少年なのだらしい。クロウを見るや否や嬉しそうに首をもたげる。
「お前…どうしたんだその格好…」
【…緊急時ですので………】
何はともあれ、再開を果たしたことを喜ぶ2人であった…。
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そして、クロウやなのはと別の次元世界…
1人の少女が自宅の電話にかじりついていた…。クロウが助けた少女、箒である。
「だ、だからね…調べてほしいの!」
どうやら何か頼み事をしているよう…。そして、電話の相手は…
「待っててね箒ちゃん…。お姉ちゃんがすぐに見つけてあげるから。」
彼女の姉、束で
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