第2話『最悪の出逢い』
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連絡不能と画面に浮かび上がるだけで通信をすることは不可能だった……。
(やべえ……あのワームホールで船に被害が無いとは思えないし、事実上任務失敗の上に失踪とかその他諸々をつけられたら考えたくも無えが借金が下手すれば前より膨れ上がっちまう…。)
読者の皆様はご存知だと思うが既に彼の借金は膨れ上がっている。しかし、彼はそのことはまだ知らない。そして、クロウにとっての現在での大きな問題…。それは衣食住の問題である。非常食の乾パンぐらいなら持っているものの(もうすでに粉砕しているが…)1日持てばまだ良いというところ。大人しく怪我人としてこの病院に居座る手もあるが恐らくスコートラボへの連絡すら不能なこの世界でクロウの身分が確立されているかどうかすら怪しい…。
(となればまず、ここを出るしかないな。)
そうと決まれば色々と騒がれる前に行動あるのみ。
「おい、ちょっと出てろ。」
「ふぇ?なんで?」
「着替えるんだよ!」
早速、なのはをつまみ出しベッドの回りのカーテンを閉めるとものの数秒で着替え、普段のジャケットを着た服装になる。
「すご〜い!」
「フッ、コイツも俺の特技の一つさ。」
あまりの速さになのはは手を叩き、クロウは満足げな顔をするとブラスタを手にとり病室をあとにしようとするが…
「!」
「全く、怪我人は安静にしておいたほうが良いんじゃないかな?」
引き戸を開けるとかなり長身の男が立っていた…。クロウはその服の袖からチラリと覗く傷跡に気がつき半歩下がる…。
「あ、お父さん!」
「なのは、看病ご苦労さん。ここからはお父さんとこの子とで話があるから。」
どうやらこの男はなのはの父らしく、彼女を部屋から出て行くよう促すとなのはは「わかった」と返事をしトテトテと病室から出て行く…。
「やあ、身体の調子はどうかね?私の名前は高町士郎。ウチの庭に刺さっていた君を助けこの病院に送った者さ。」
「あ、どうも……クロウ・ブルーストです。その…ありがとうございました。」
男は士郎と名乗りここまでの経緯を簡単に話した。この時、庭の修繕費が借金にならないかクロウは密かに考えていた。
「あの……ここは?」
「海鳴病院さ。もしかして、ここが地元じゃないのかな?」
「え、ええまあ……」
まず、クロウは士郎から現在地の情報を尋ねてみる。しかし、『海鳴』という単語も地名もクロウは知らない。
「君…どこから来たのかな?」
「あぁ…いやあ…遠いところから?」
間違ってはいないがあやふやな答えをするクロウ。なんとかここはごまかして切り抜けたいが…
ここで、彼はどうしようもない作り話を始めた。
「実は俺、旅をしてまして……。そしたら道中、財
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