第二十七話 フェザーン制圧
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になったら同盟に帰してもらえるんだと騒いでいました。民間人の事など何も考えていませんでしたね、あれは」
『……』
レベロ議長の渋面が益々酷くなる。
「まあ周囲には民間人の安全について我々と調整している、そう言って貰って結構です。議長もそれに加わって私に同盟市民の帰還を確約させた、如何です、このシナリオは」
親っさんが問いかけるとレベロ議長はじっと親っさんを見詰めた。
『……不本意だが乗らせてもらおう』
「不本意は無いでしょう、議長にも利が有る筈ですよ」
『だから乗ると言っている』
「……素直じゃありませんね」
『君程じゃない』
親っさんが憮然とするとレベロ議長が嬉しそうな表情をした。こいつも性格が悪そうだ。
「ところで、地球教の事ですが同盟ではどうなっているのです……」
親っさんが問いかけるとレベロ議長が顔を顰めた。
『同盟は帝国とは違い信教の自由を保障している、それに陰謀と言っても帝国が言っているだけで同盟では何の問題も起こしていない。トリューニヒトを匿ったのも人助けと言われればそれまでだ。取り締まりは難しいな』
親っさんが溜息を吐いた。
「付け込まれますよ、連中に」
『……』
「帝国では地球討伐が実施されましたがその折、討伐軍指揮官のワーレン提督が自分の旗艦で地球教徒に襲われると言う事件が有りました」
『自分の旗艦で?』
レベロ議長が驚いている。ま、普通は驚くよな。
「地球討伐が決定されてからワーレン提督がオーディンを発つまで二日しかありません。その二日の間に地球教徒がワーレン提督の旗艦に潜り込んだ。帝国では地球教を侮るべきではないという意見が強まっているそうです」
『うーん』
「警告はしましたよ、あとは議長次第です。では、これで」
親っさんが通信を切るまでレベロ議長は唸りながら考え込んでいた。通信が切れるとスウィトナー所長が親っさんに話しかけた。
「親っさん、“テオドラ”から連絡が……」
「有りましたか」
「はい」
え、何時の間に有ったの? 俺全然気づかなかった。
「“テオドラ”は何と?」
「迎えに来て欲しいと言っています、五十人程連れて行きたいのですが?」
所長の言葉に親っさんが副頭領に視線を向けた。
「アンシュッツ副頭領、百人程用意してください。人数は多い方が良いでしょう」
「分かりました」
「有難うございます」
親っさんの言葉に副頭領、所長が応えた。
俺も一緒に行こうとしたけど所長に親っさんの傍に居ろと言われた。詰まらんと思ったけど直ぐにそんな気持ちは吹っ飛んだよ。親っさんがローエングラム公に連絡を取るように指示を出したからな。
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