暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第二十七話 フェザーン制圧
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
自分の立場の強化を図ったか……。だがそれを嫌ったルビンスキーに逆に殺された……。物騒な話だ、思わずスウィトナー所長と顔を見合わせたけど所長も顔を強張らせている。そんな俺達を見て親っさんがクスッと笑った。怖いよ、キアもウルマンも顔を強張らせている。

若い組員が遠慮気味に声をかけてきた。
「スウィトナー所長、通信が入っています。自由惑星同盟のヘンスロー弁務官と名乗っていますが……」
ゲッ、あの馬鹿ここまで追っかけてきやがった。所長も顔を顰めている。
「私が出ましょう、こちらのスクリーンに映してください」
「お、親っさん」
「大丈夫ですよ、イェーリング」

大丈夫って、全然大丈夫じゃないですよ。スウィトナー所長だって引き攣ってます。
『君じゃない! スウィトナー所長は何処だ!』
親っさんの前のスクリーンにヘンスローが出やがった……。太く短い眉が吊り上っている。興奮するなよ、ブルドックみたいに頬がブルブルしてるぞ。それにしてもこいつ、おやっさんの顔も知らねえのかよ。……ホント、同盟ってどうなってるんだ?

「ヘンスロー弁務官、私はエーリッヒ・ヴァレンシュタインです」
『エーリッヒ・ヴァレンシュタイン? ……く、黒姫か……』
おいおい、目ん玉飛び出そうになってるぞ。顔が引き攣ってる、いや、引き攣ってるのは頬かな?

「そう呼ばれていますね。安心してください、貴方達の安全は保障しますよ。帝国軍が来る前に自由惑星同盟に無事に御帰しします」
親っさんがニコニコしながら答えるとヘンスローの馬鹿は扱いやすいと見たのか不機嫌そうな態度になった。
『一体何時だね、それは?』
「予定では四十四時間後には民間船の出航を許可するつもりです」
『四十四時間……、二日もかかるのか』
イライラするなよ、ブルドック。

「もっとかかりますよ、一般民間人を優先しますからね、政府関係者は最後です。まさか彼らを後回しにして先に帰るとは言わないですよね? 後々問題になりますよ、政府の責任問題にもなりかねない」
親っさんが心配そうに言うとブルドックは露骨に顔を顰めた。
『……そんな事は君に言われなくても分かっている』
信憑性はゼロだな。

「私はこれからレベロ議長と連絡を取ります、心配しているでしょうからね。今の事も議長に報告しておきますよ、ヘンスロー弁務官が民間人の安全と出立が確認できるまではフェザーンに残ると言った事を」
『な、なにを』
おいおい、目を白黒させてどうすんだよ、自分だって分かっているって言ったじゃないか。

「レベロ議長もとても喜ぶと思いますよ、公の立場にある人間としては当然そうであるべきだと言って」
『……と、当然だ』
「意見が一致したようですね。同盟への帰還はもう少しお待ちください。では、これで」
親っさんがに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ