第二十七話 フェザーン制圧
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た今日もルビンスキーの用意した女の所に居たんだからな、処置無しだ。危険になるとオドオドする癖にちょっと安全になると直ぐに威張り散らす、弁務官事務所の連中もウンザリしていた。コンピュータのデータを取るためにウチの事務所に引っ張り込んだが所長も直ぐに後悔した。ここに来るために事務所を出た時にはホッとしてたな、お互い顔を見合わせて肩を竦めたっけ。
「奇襲は上手く行ったようですね、副頭領」
俺の問いかけに副頭領はちょっと憂鬱そうな表情を見せた。
「幸い、フェザーンから船が出ていなかったので助かった。だがフェザーンへ戻る交易船、十隻とぶつかってな……」
副頭領が顔を顰めた。やばいな、拙い話題に振っちまったか……。
「……」
「七隻は大人しく拿捕されてくれたが、後の三隻は逃げたんで撃沈するしかなかった。後味が悪いぜ……」
皆が黙り込んだ。商船には武装なんて無い、ただ逃げ回るだけの無抵抗の船を撃沈したんだ、後味が悪いのも無理は無い。あーあ、バツが悪いわ……。
「撃沈を命じたのは私です、皆は私の命に従っただけの事、気にする事は有りません」
「……」
「撃沈数が三隻で済んだのは幸いでした。もっと撃沈数は多くなると思っていましたからね」
平然とした口調だ。親っさんの言葉に皆が視線を交わした。分かっている、親っさんの本心じゃない。俺達周囲の心を軽くしようとして敢えて何も感じていないように言ったのだろう、済みません、親っさん、俺が馬鹿な話題を振ったばっかりに……。皆も分かったのだろう、スウィトナー所長が“副頭領”とアンシュッツ副頭領に声をかけた。話題を変えるんだろうな。
「それで、施設の制圧の状況は如何です?」
「順調と言って良いだろうな。自治領主府、航路局、公共放送センター、中央通信局、宇宙港を六ヶ所、軌道エレベータ、物資流通センター、治安警察本部、 地上交通制御センター、水素動力センター、エネルギー公団を押さえた、それとそっちが同盟の弁務官府を押さえてくれたからな、問題は無い」
「治安警察も押さえたんですか」
俺が問いかけるとアンシュッツ副頭領がニヤッと笑った。この人、笑うと悪人顔だよな。
「いずれ帝国軍二個艦隊がやってくる、今の内に大人しくこっちに協力しろと説得したんだ。連中、大人しく従ってくれたよ。その方が将来的には影響力を残せるからな」
「なるほど」
皆強かだよな、俺が頷いているとスウィトナー所長が親っさんに話しかけた。
「親っさん、ルビンスキーですが……」
「逃げましたね、自治領主府にも彼の私邸にもいませんでした。妙なもので私邸にはケッセルリンク補佐官の死体が有ったそうです。一体、何が有ったのやら……」
裏切りかもしれない、ケッセルリンクはルビンスキーを捕えて降伏しようとした。ルビンスキーを土産に
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