第四章
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この花達のところにいたのよ」
「あの時代の服を着飾った貴公子がここにいたのね」
「ええ、いたわ」
そうだとだ。私はマネージャーに答える。その幻想的な世界の中を歩きながら。
「そして彼の恋人達も」
「あの時のこの国の美女達がよね」
「そう。だからね」
「だから?」
「花と自然を見たわ」
その二つはもう見た。花は自然とは別の存在にさえなっていた。
「そのうえでだけれど」
「服ね。肝心の」
「服ね。女の人の服は」
その服はどうかとだ。私は目を細めさせたまま言っていく。
その間も花達を見る。花達は何も語らないけれど私に多くのものを見せてくれている。そして私はその見せてくれているものを心の中に入れていた。
そうしながらだ。私は言った。
「面白いものになりそうよ」
「どうするの?」
「流石にあの重い服は駄目だけれど」
十二単、その服は幾ら何でもだった。
「それでもね」
「学んだのね」
「活かしてみるわ。きっとね」
私はまたマネージャーに言った。
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