第116話 劉協
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てなくて」
私達は揚羽の言葉に同意しました。
「話が逸れましたが、正宗様が皇帝陛下にお会いになられるときは私も同行させていただいてもよろしいでしょうか」
「揚羽、突然だな。揚羽を同行させるのは不味くないか? 張譲は俺にさも密談げに皇帝陛下の言伝を伝えてきた。」
「同行者は許さぬとは言っていないと思います」
「確かに」
冥琳は薄い笑みを浮かべました。
「皇帝陛下の不興は買わないか?」
「その点はご安心ください。正宗様が私を同行させたとしても皇帝陛下は何も申さぬでしょう。私はあなたの妻であり側近です。それに、皇帝陛下は正宗を頼りになさっておいでなので些事は気になさらないと思います」
「厚遇を受けていると思うが頼りにされているとは限らないだろう」
皇帝陛下は劉協を後継者にするために支える人材を欲しているだけだと思います。
劉協は母は死に外戚達の後ろ盾もなく政治的な立場は脆弱で、皇帝陛下が崩御すれば劉協が皇帝になる道は限りなく険しいです。
逆に、張譲のような腹黒い奴等が操りやすい人物とも言えます。
張譲が劉協に肩入れするのは皇帝陛下のご意志というだけでなく、そこのところもあると思います。
そんな人物を皇帝に押すなど常識的にやらないです。
何進に清流派の士大夫が靡くわけです。
そして、麗羽もその一人です。
劉弁が即位すれば、何進派の勢いが増し張譲のような奴等は粛正されかねないです。
でも、張譲ほど老獪な奴は土壇場で勝ち馬に乗り裏切るでしょうけど、私ものそのつもりなので人のことは言えません。
「西園軍の馬揃えの招待を受けたのは西園軍の八校尉以外、重臣は皇帝陛下の側近のみです。正宗様は皇帝陛下にとって側近と見なされています」
「西園軍の話は噂は聞いていたが、俺はあの場で初めて皇帝陛下に聞いて初めて知ったのにか?」
「それは些事です。正宗様が冀州からわざわざ招聘されたことに意味があるのです。西園軍関係者を覗いた他の面々の者を思い出してください」
揚羽の表情はいつになく厳しく真剣な表情をしていました。
揚羽に指摘されて思い出しましたが、あの場の重臣連中の顔ぶれは側近中の側近でした。
私はいつのまに皇帝派に組み込まれているということでしょうか?
「重臣中の重臣だけだったな」
揚羽は俺の回答に満足いったのか笑みを浮かべました。
「今回のことで正宗様は内外供に皇帝陛下の側近と認知されました。しかし、皇帝陛下は明日の面会で正宗様を見極めるつもりだと思います。ここで行動を見誤れば正宗様は全て失う可能性がございます」
「揚羽、脅かさないでくれ」
私は揚羽の雰囲気に圧され、腰を引いてしまいました。
「その位の心持ちでおられた方がいいです。事実、皇帝陛下の不信を買えば、今
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