第二幕その二
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ね」
「天才に駄作なし」
「さてさて」
「それじゃあ注文するか」
マルチェッロはここで他の者に対して言った。
「皆何を頼む」
「とりあえず美味そうなものはありったけ頼もうぜ」
「今は機嫌がいいしね」
コルリーネはまだ上機嫌を続けていた。
「お金もあるし」
「じゃあこれを見てくれ」
マルチェッロはそのコルリーネにメニューを渡した。
「ルーン文字よりもまずこっちだ」
「有り難う。そうだな」
メニューを少し見てから言った。
「サラミを」
「僕は鹿のステーキを」
それを横から覗いていたショナールが言った。
「サラミに鹿のステーキ」
マルチェッロはメニューにそう書いていく。
「ラインのワインを」
「テーブルワイン」
ショナールとコルリーネはそれぞれ飲み物を頼んだ。
「じゃあ僕はマルサラ、そして七面鳥の丸焼きを」
「七面鳥はいいとしてマルサラかい?」
「そうだよ。それが何か?」
「今はクリスマスだよ」
ショナールは言った。
「うん」
「白ワインはないだろ」
マルサラは西シチリア原産の甘い白ワインである。
「そうかな」
「クリスマスといえば赤じゃないか。キリストの生誕の日なんだし」
つまりキリストの血、というわけである。だから赤なのだ。ショナールはそう言っていた。
「じゃあランブルスコを」
「よし」
北イタリアモデナの発泡性の赤ワインである。かなり甘い。注文する側で母親達が自分の子供達の相手をしている。
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