第二話「紅い髪の少女との出会い」
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、確かに健全な男子では見惚れてしまうのも仕方がないな。
顎に手を当てて大きく頷く。さすがはメインヒロイン、並みならぬ容姿だ。場所が場所なら一躍アイドルとして売れるだろう。
そんなことを考えていた時だった。
「……あ」
少女と目があった。
深紅の髪と同様に紅い瞳は大きく見開き、口をポカンと開けている。少女の瞳には「なんでここに人が」という疑問の色が浮かんでいた。
いかん、これではカミトの二の舞だ。なんとか上手い言葉で回避せねば。
一旦目を瞑って大きく深呼吸する。心を落ち着かせて意を決して目を開いた。
「驚かないで聞いてほしい」
俺の言葉にハッと意識を取り戻した少女は身体の前に腕を回して、俺の視線から裸体を隠そうとする。
えー、あー、う〜、などの言葉にならない声を上げる彼女に害はないと証明するため、顔を横に向けて両手を上げた。そして、現状と俺の心境を語るため言葉を紡ぐ。
「――迷った」
「は?」
うむ、完璧だ。これ以上ないほど俺自身の状況を言い表せている。
俺は内心自画自賛しながら、目を真ん丸にしている少女に詳しい説明をすることにした。
「ある場所に向かおうとしたら運悪く迷子になってしまってな。人気がしたから来てみたらここに辿り着いたんだ。故に君の水浴び姿を見たのは不可抗力であって他意はない」
「え……あ……」
「だが、君の裸を見てしまったのもまた事実。すまなかった」
混乱している少女に畳み掛けるようにその場で土下座をする。前世の頃からなぜか土下座をする機会が多かったため一連の動作に淀みはない。流麗、まさに流れる水のように洗礼された動きで土下座をする俺に少女が呆気にとられる。
「へ? ……えっと、あの……」
オロオロしている気配がする。取り合えず少女の許しがあるまで頭を下げたままにする。
「……はあ、もういいわ。顔を上げてちょうだい」
「いいのか?」
「ええ、それにずっとそのままという訳にもいかないでしょう?」
「む、それもそうか」
少女の許しを得た俺は頭を上げて立ち上がる。すでに少女は制服に着替えていた。
やはり小さいな。
少女の身長は俺より頭二つ分ほど下だ。俺が一八〇センチだから、おそらく一五〇センチ前後といったところだろうか。
「先程はすまなかったな。俺の名はリシャルト・ファルファーという。リシャルトと呼んでくれ」
「もういいわよ。あたしはクレア・ルージュ。クレアでいいわ」
「わかった。ところで、見たところその制服はアレイシア精霊学
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