原作前に小学校に入ろう
フラワーシューベルト
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第三十二話 フラワーシューベルト
「まず、さっき僕が倒れたことから話そうか」
僕は椅子に座り、机を挟んでみんなに向き合う。
美愛は僕の隣に座っていて顔は見えないが、雰囲気からして僕のことを心配してくれているのだろう。
それはなのはたちも同じで、心配そうな顔と、真剣な顔が混じっていた。
「さっきのは僕の持病・・・でいいのかな。一応フラッシュバックらしい」
「フラワーシューベルト?」
「どうやったらそう聞こえるのかな、なのは?あとちょっと黙ってよう。
フラッシュバック。詳しいことは僕はわかんないけど、過去にあったトラウマが頭ん中で流れてくることを言うの・・・かな?」
これに最初に気がついたのは幼稚園生のとき、美愛がふざけてお皿を割ったときだった。
その時は驚いただけって思っていたのだが、二回、三回とあると、さすがにおかしいとわかり、医者に診てもらうとフラッシュバックだとわかった。
これは物が壊れるってだけでなく、動物が致命傷を受けたり、殺されたりすると同じようなことになった。
ついでに魚をさばくのはセーフ。あまりやりたくないけど。
発病しているあいだは周りの音が聞こえなくなり、そして最後には気絶する。
気絶したら数日間目を覚まさない。
そしてそれを防ぐには、さっきの美愛がしたように、動けないくらい抱きしめて貰えれば意識はそのままだった。
「ついでに、動けないように関節を決めるのは効果がなかった」
「・・・それ、誰が試したのよ?」
「僕の父さん。すごいよね」
「いろんな意味で・・・ね」
発病している間、頭に響いてる声と風景。
なにか言っているのだが、頭痛がひどくてよく聞き取れないが、風景だけはよく覚えている。
フローリングに赤い液体が飛び散り、そしてお皿やコップ、椅子などの家具が散乱し、部屋の片隅で山のように積まれている大切なヒトたち。そしてそれを見下して不敵に笑うナニカ。
そんなものを魅せられ、最後に僕は意識を失う。
でも、意識を失う前に必ず『殺したい・・・』この言葉が頭に響いた。
意識が戻っても、少しだけボーっとしたりもする。
ついでに、その日は内容は覚えていないけど、とても悲しいユメをみる。
そしてユメを見ている間、僕の体は自殺を試みる。
結局成功したことないけど。
僕の部屋のベッドが大きいのは、僕の自殺を防ぐためだ。
そして僕はいつも美愛の姿を見て、悲しい顔をして倒れ、朝まで眠り続ける。
「これが僕の持病」
「おにぃ、ジュース持ってくるね」
「ん、ありがと、美愛。
さてみんな、質問とかはある?」
『・・・・・』
・・・え、えっと・・・空気が重いッ!
「いや、なにか話してくれないと、こっちが気まずいんだけ・・・」
「へい、おっまちー♪」
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