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第三話 古城の秘密
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てしまったということになる。

「ちょっと、それってつまり、ジルさんがこのクエストの進行を撹乱させたということですか!?」
「そーいうことになるかねぇ。ははっ、トラップ突破しようとしてボコボコされたヤツらの話を聞いたときは腹筋がねじ切れるかと思ったよ。制限時間ばっかに気を取られて、ここ見逃してんだから」

ジルのように罠解除スキルを持っていなければ、この短時間で城を攻略するのは不可能である。あの墓地を見つけたとしても、上に続く階段がないと判断すれば、すぐに引き返していたのだろう。
おかしくて仕方がないというように、ジルはけらけらと笑っていた。そんな彼に、アスナはさすがに切れた。

「あ、あなたね! 一体どういう頭してるんですか! 普通、そういうときは一刻も早く間違いを指摘するべきでしょう! 罠に掛かって誰かが死んでいたらどうするつもり!?」
「……さあね。まあ罠に掛かっても即死はしねぇし、仲間もいるだろうから九割九部助かるとは思ってたよ」

SAOは基本的に公正である。そのため即死トラップは存在しておらず、一番最悪なものでもアラームトラップで、モンスターを使って間接的に死亡させるという形を取っている。それも、プレイヤーのステータスや技量次第で生き残ることも可能だ。

「そもそも、情報の開示は義務じゃなくて任意だし、俺を糾弾するくらいなら『聖竜連合』あたりを叩いたほうが生産的だろ? 今は味方なんだし」

攻略組ギルドの中でも規模が大きく、情報を秘匿しがちな集団を引き合いに出されて、アスナは黙るしかなかった。

「――それに、俺はすぐにでもあっちに帰りたいわけじゃねぇし」

ジルの小さな呟きは、アスナの耳に入らなかった。
そうこうしているうちに、アスナは階段の一番下にたどり着いた。そこはまるで遺跡のような場所で、先に続く通路のほかに二つの宝箱が置いてあった。
宝箱の片方、小さいが微細な装飾が施されているものはすでに空だった。おそらくジルが取ったというものだろう。
そしてもう一つ。大きく地味な宝箱はまだ開いていなかった。

「これが……?」

アスナは大きい宝箱に近づくと、それを開いた。するとアイテムストレージいっぱいにアイテムがドロップされる。

「よし、これでクエスト完了――」
「『無念に散った王様と騎士たちは、城が滅びたあとも戦いに備え、罠を張って敵が宝を奪うのを阻止しようとしている』――、確かそんなことも言ってたっけねぇ……」

ジルがここに来て呟いた言葉に、アスナは非常に嫌な予感がした。

振り返らずとも分かった。背筋に来る冷たい感覚……アスナがもっとも苦手としているもの。

「『城の罠、生ける屍となった騎士たち、そして王様の幽霊から宝を奪い、城を脱出できた者はその宝を手にする
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