第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第13話:誘拐はビジネスです。だから馬鹿には出来ません!
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(フレノール)
アリーナ達はボロボロになりながらも、身代金の受け渡し場所である、フレノールの外れにある墓地へと、黄金の腕輪を携えてやって来た。
時間的にはギリギリである。
「誘拐犯達! 要求通りに黄金の腕輪を持ってきたわよ! 彼女…お姫様を解放しなさいよ!」
アリーナは高らかと黄金の腕輪を掲げ、どこかで見ているであろう誘拐犯に話しかける。
すると周囲をお堀に囲まれた墓地の茂みから、黒ずくめの男が2人…着飾った女性を伴い姿を現した。
「どうやら本物を持ってきた様だな…良いだろう、此方へ黄金の腕輪を投げな!」
「ひ、姫様も同時に離しなさいよ!」
「おい、お前等に命令する権利があると思ってるのか!? お前等が投げなければ、姫を殺すだけ…それが嫌だったら、さっさと黄金の腕輪を投げるんだな!」
アリーナは唇を噛み締め我慢する…
人質のメイを救う為我慢する。
そしてゆっくりとしたモーションで黄金の腕輪を投げ付けた。
(パシッ!)「よっと!」
すると突如墓石の影から現れたリュカが、誘拐犯達に届く前に黄金の腕輪をキャッチしてしまう。
そして黄金の腕輪を自身に装着すると、ニヒルな笑みを浮かべ周囲を見渡し仁王立つ。
(フレノール)
クリフトSIDE
「ちょっとリュカ! 何やってんのよ…それを早く奴等に渡してよ!」
突如現れ、身代金受け渡しを邪魔するリュカさん…
アリーナ様は本気で怒り怒鳴っている。
「嫌だね。僕も昔に妻を誘拐された事があるから、誘拐犯って奴を許す事が出来ない!」
「な、何言ってやがる! それを俺達に渡さないと、姫さんを殺すんだぞ! それでも良いって言うのか、あ゙ぁ?」
誘拐犯の一人がドスの効いた声でリュカさんを恫喝する。
「渡したら姫を無傷で返す補償はない! 姫を殺された挙げ句、黄金の腕輪を奪われて、お前等を逃がす事になりかねない! それだけは絶対に嫌だ! 罪を犯したお前等を許す事は出来ない。例え姫さんを殺されても、お前等を徹底的に罰するのが僕の気持ちだ!」
あ、あの人は人様の命を何だと思っているんだ!?
誘拐犯を逃がしても彼女の命を救うのが先決なはず。
それを行わないとは…見下げ果てた性格だ!
「てめー…俺達が本気じゃないと思ってるんだろう…」
「そんな事はない。でもそう思われたくないのなら、さっさと人質を殺せよ。そうすればお前等は、黄金の腕輪を手に入れる切り札も、自分たちの身を守る盾も失う事になる。まぁ尤も、僕が腕輪を持ってる時点で、手に入れる切り札は0だけどね(大爆笑)」
「な…ふ、ふざけんな! それを渡せば姫を返すって言ってるだろう! 絶対に返すんだから、先にそれを渡せよ!」
「嫌だ! 何故これを渡す気がないのに、この場に現れたと思ってる?
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