暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
運命の鎌
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と言う音が響き、石畳の床が爆ぜる。音が衝撃となってびりびりと周囲の壁が振動し、ピキリと小さな悲鳴がどこかで聞こえる。

全く見えないが、アスナにはレンが笑みを浮かべたように感じられた。

それは久々の命懸けの戦闘に対する懐かしさから来るものなのか、それとも──

ただ単純にコロシアイの快感から来たものなのか。

空中に縦横無尽にワイヤーが走り、空中に鮮やかな紫色の軌跡が現れる。

──ソードスキル!

アスナの脳裏がそれを思う間もなく、レンは両手一杯の色の光線を無慈悲に振り下ろした。



────重奏曲(アンサンブル) 強欲(グリード)────



とてつもない衝撃音、そして閃光。

死神の悲鳴がどこか遠くに聞こえる。勝ったのか?そう思ったアスナの視界が、たちまち土埃で塞がれる。

半ば、ぼぉ〜っと突っ立っていたアスナを誰かが抱きとめた。アスナはびくりと身体をすくませて、自分の身体を片手で抱くプレイヤーの正体を見る。

キリトだった。反対側には、アスナと同じように抱えられたレンの姿もある。

「キリトくん!?」

思わず声をかけるが、キリトは両手が塞がっているため、無言で首を振る。喋るな、ということだろうか。

しかしなぜ?問題の死神は先の一撃で死んだはずだ。もう何の物音もしないことからもそのことが伺える。だから、注意するべき対称などこの場には存在しようもない。

だが、キリトとレン、正しくは六王第三席の先代と今代は眼を細く鋭いものにして、土埃の先を射抜いている。それにつられるようにして、思わずアスナも土埃の向こうに目を凝らす。

最初は判らなかった。

だが、キリトやレンほどの熟練度はないにせよ、一応アスナも索敵スキルは取っている。視線をフォーカスすると、自動的におぼろげだった土埃が、ほんの少しだがクリアになる。

そしてアスナは初めて気付く。土埃にある異形の影。

しかも一体どころではない、数十、いや下手したら数百匹はいるのではないだろうか。

だが、死神のような大きさはない。せいぜい成人男性の平均身長くらいだろうか。シチュエーションが違ったら、まず間違いなく人間だと勘違いするであろう、完璧な人型(ヒューマンタイプ)

だが、その事態を回避しているのは、そのモノ達が放つ強烈な殺意だった。いや、殺意と言うより言うなれば、《憎悪》だろうか。

ただのシステムが動かすモンスターとは、明らかに一線を画すその存在に、ぞっとアスナは背中が粟立つのを感じた。

同時に、ようやくシステムがアスナがその影達を視認したことを認識したのか、アスナの視界に多数のカーソルが出現する。その色は血よりも濃いダーククリムゾン。つまり、今のアスナのレベルでは絶対に勝てないことを象徴す
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