第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第12話:俺は正義の味方ではない!
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(フレノール)
アリーナ達は、興味なさげに眠ってしまうリュカを尻目に、悪漢に攫われたか弱き女性を助けるべく、連中の事を知ろうと町中で聞き込みを開始する。
すると一人の少年が、飼い犬が手紙を拾ってきたと言って、重要な手懸かりをアリーナ達に託してくれる。
手紙には『姫を返してほしければ、フレノールに古くから伝わる“黄金の腕輪”を差し出せ』と書いてあり、町に住む長老に黄金の腕輪の事を尋ねてみた。
すると長老は、黄金の腕輪に纏わる争いの歴史と、現在は町の南にある洞窟に封印してある事を教えてくれた。
正義の為に女性を助けようと息巻いているアリーナは、それらの情報を携えてリュカの寝ている部屋へと訪れる。
爆睡中の男を叩き起こして…
(フレノール)
アリーナSIDE
「…と、言う訳で! 早速フレノール南の洞窟に黄金の腕輪を取りに行きましょう!」
「はぁ? …どういう訳でそんな事をしなきゃならないの?」
まだ2時間くらいしか寝てないリュカは、ベッドに上半身を起こし不機嫌そうに呟いた。
「か弱い女性が目の前で攫われたのよ。放っておく訳にいかないでしょ!」
「王族の名を騙ったんだ…自業自得だよ」
欠伸をしながら不機嫌そうに言い放つリュカ…
う〜ん…急ぐあまり、寝ているリュカを起こしちゃったけど…拙かったかな?
「おい、何で王族がチヤホヤされているか解るか?」
偽ブライのグレゴールさんと、偽クリフトのノルテンさんに厳しい目を向け問いかけるリュカ。
勿論二人は答える事が出来ない…わ、私もだけどね。
「王族ってのは大きな権力を、それ以上に大きな責任において行使する人種なんだ。そして、その権力と責任ってのを持っていると命を狙われる事に繋がるんだ。誰だって権力を、自分に不利になる様に使われたくないからね…」
姫(偽)を助ける為の作戦会議と称してリュカの部屋に集まったので、宿屋の主人が食事と飲み物を部屋に用意してくれた。
リュカは一旦言葉を止め、それらを手に取り喉を潤すと、また話し続ける。
「しかも基本的に王族とは、生まれた時から王族なんだ…他の職業になる事も許されず、責任から逃げ出す事も許してもらえない。だから人々がチヤホヤする…敬い傅き特別扱いをするんだ! そして命を危険に晒してる…その事を考えず、チヤホヤされている面だけを見て、羨ましがり名を騙ったりするから事件に巻き込まれる…完膚無きまでの自業自得なんだよ!」
「だ、だからって…女の子を攫う様な悪者を野放しにする訳にはいかないじゃない!」
「………その手紙に“受け渡しは明日の深夜”と書かれてるんだろ?だったらその時に、そいつ等を捕まえれば良いじゃんか! 黄金の腕輪に似せた偽物を見せつけ、誘き出せば良いじゃんか! 向こうの
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