プロローグ
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「神威はお主で言うところの魔力じゃ。転生する時は保有魔力はそのままにしておくから、向こうではかなりの神威を保持しておるぞ」
「そうか、なら大丈夫だな。……そうだな、このくらいかな」
「なんじゃ、欲がないのう。今まで儂が見てきた者はやれ『無限の剣製』がいいだの『王の財宝』をつけろだの『直死の魔眼』をON、OFFでだの『めだかボックスの過負荷すべて』だの色々と要求してきたが、お主のような無欲な者は初めてじゃ。しかしそれでは儂の気が収まらんのでな、適当に儂が考えておくかの」
「……何度も言う様だが、チートだけはやめてくれよ?」
「うむ。お主がそういうのならその意向に沿おう。しかし、お主は本当に珍しいのう。よければなぜチートがいやなのか聞かせてくれんか?」
「別に大した理由じゃない。始めから完成された技術や能力はつまらないからだ。それも与えられた能力だしな。俺の師匠の言葉なんだが、最強には最強たる所以とそれに見合う努力を伴わなければならない。こいつを信条にしてる身なんでね、手探りで一から鍛える方が俺には性に合う」
俺の武術の師の口癖だ。あの人に師事した期間は僅か三年だったが、今でもあの大きい背中は覚えている。俺の尊敬する人だ。
「そうか。良い師のようじゃな」
「ああ、俺の尊敬する師だ。――で、話は戻るが、何か注意事項とかはないのか?」
「特にないのう。平行世界じゃから原作崩壊しても問題ないし、仮に主人公が死んでも世界は回り続ける」
なるほど、なら俺は心置きなく原作に関われるな。まあ、カミトは嫌いじゃないから死なせないようにするけど。
「もうよいか? では、お主を『精霊使いの剣舞』の世界に送ることにする。二度目の人生を謳歌せよ、若人よ」
爺さんが手を翳すと、俺の身体を淡い光が包んだ。
「お主の第二の人生に幸有らんことを。有馬|紅<こう>よ」
一瞬の浮遊感の後に俺の意識が途絶えた。
† † †
「さてさて、あやつに何を送ろうかのう。チートは嫌だと言うておったが、すでにあやつの存在そのものがチートじゃから、今更の話なのじゃが……」
青年を送り届けた最高神は悩んでいた。それは、あの青年に送る特典の内容だ。本人からチートは勘弁と言われたからには今までの転生者に与えてきたような能力は却下となる。
青年は気が付いていないようだったが、存在が強いということは個としての能力が秀でているということ。事実、彼の者の運動神経は一級アスリートを軽く凌駕するものであり、彼が修めた武術も通
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