第二十三話『転校生』
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う」
「さっすが! スーくん話がわかる! ささ、早速渡してね」
両手をスウェンに差し出し、スウェンは束の両手の平にストライクを置く。束はくるっと後ろを向き、窓の近くへ行く。
「そうだ、ストライクなんだけど、束さんなりにスーくんの使いやすいように強化してあげようか?」
「使いやすくなるのならば頼もう。武装の方だが……」
「みなまで言わなくても、束さんにはしっかりとわかってるから大丈夫! それじゃあね、スーくん、ちーちゃん!」
サムズアップをした後、束は窓から外に飛び出した。下の方から「人が落ちてきた!」と悲鳴に近い声が聞こえた気がするが、スウェンと千冬は聞かないふりをする。
「……まるで嵐のようですね」
「全くだ……ともあれ、ストライクはこれで安心と言う事か……私は今日の事について色々やる事がある。お前も身体を休める為に早く自室に戻れ」
「了解」
そうして千冬が保健室を出ようと扉開けると、そこには一夏が居た
「織斑か」
「千冬姉、スウェン……起きてるか?」
「ああ、話したいならさっさとしろ」
「わかった」
一夏は千冬の隣を通り過ぎ、スウェンの居るベッドの下まで来た。そして頭を下げ
「ごめん! 俺がちゃんとあいつが機能停止してるか確認せずに不用意に近づいて、それでお前にこんな目に合わせちまった……本当にごめん!!」
肩を震わせ、ずっと頭を下げている一夏。
「頭を上げろ、織斑。謝罪する必要はない……ただ」
「?」
「篠ノ之が無事で良かった、鳳が無事で良かった、お前が無事で良かった。それで十分だ」
「スウェン……」
ベッドから降り、スウェンは一夏の隣に立ち肩に手を置く。
「相変わらずお前はお人好しだな。だがそれがお前らしさだ……自分を見失うな、自分を信じろ、そして自分にしか出来ない事を見つけろ」
そう言い、スウェンは保健室の扉の前に立ち。
「これからの訓練だが、一人で自主練というのも限界があるのでな……お前達と一緒にやっても良いか?」
「あ、ああ! 勿論!」
「そうか、感謝する」
そしてスウェンは保健室を出て行く。
「……」
一夏は触れられた肩を右手で触れる。
俺が無事で良かったとスウェンは言ってくれた。怪我が無かったとはいえ、あんな目に合わせてしまった俺の事を。
初めてあいつと会ったときからだ。何時もポーカーフェイスで何を考えてるか解らなくて、話ずらそうな印象だった。でも意外と良い奴で、よく困ったときも助けてくれたりした。
だけど、やっぱりあいつの笑った表情を見たときが無い。時々俺は
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