第二十一話
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「くしゅん、寒くなってきたね」
エスリンがくしゃみをした後にそう言ったので俺は前から気になっていたことを問うてみた。
「あの…寒いのでしたら、そして差し支えなかったらですけれど、どうして下着を召さないのでしょう?、いえ、無理に伺おうとは思いません。そして不躾な質問をしたことお許しください」
…エスリンはいつもおぱんつを履いていないのだ。
最初に剣を交えたあの日はたまたま履き忘れたのかと思ったらそうでは無く、それからも毎日だ。
まさか兄上がそういうプレイをさせているとは思えないし……
「それはね、グランベル貴族の子女の務めなのよ!」
エスリンは自信にあふれた顔でそう宣言した。
「グランベル貴族に生まれた子女で特に、嫁いだ者や、深く結ばれた者は下着を付けてはならないの。月に1度数日訪れる女の子の日だけ特別に許されるけど、それ以外の日に着用しているということは伴侶となっている殿方との離縁を要求するっていうことなの」
そこまで言ってから
「日頃いいかげんなわたしの父…バイロンと言うのだけど、このことだけは真剣な顔で教えてくれたの。だからお姉ちゃんは何があってもそれだけは守るわ、これは結ばれてから10年は守らないとならないとも言われたの」
「そ…そうなのですか。それならもっと丈の長いお召し物やズボンをお召しになられては…」
「みゅう君、キュアンはバーハラに居たとき、モテモテでね。いつも素敵な女の子達に言い寄られていたの。でもお姉ちゃんが短いスカートの時にはわたしだけをかわいいって言ってくれてたの。だから…」
「ねえさま、ここはもうグランベルではありませんし、嫁ぎ先のしきたりってやつも……」
……これより数年後、俺はバイロン卿が嘘をついてたことを知る。
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