After days
fall
決戦の暗雲
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に着地してからは激しいインファイトを繰り広げている。
パワーで勝るガノンの攻撃をトリスタンは素早くかわしたり、《打撃強化》による拳撃で相殺していた。
結果、両者は全く互角の戦いをしていた。技量は同等。
ならば前回、何が両者の勝敗を分けたのだろうか?
「なぁ、ボッシュ…………ボッシュ?」
隣に居たはずのボッシュはいつの間にか居なかった。辺りを見回してもそれらしき影は無い……。
「どうした?」
キョロキョロしていたのを不信に思ったのか、キリトが傍に降り立ち、問いかける。
「ああ……いや、ボッシュが突然居なくなったから何処に言ったのかな、と……」
「え?……あれ、本当に居ないな」
索敵スキルまで用いて探したが、遂にボッシュは見つからなかった。
「んな馬鹿な……」
競技中は何処にも逃げられない筈だ。しかし目視でも、スキルでも見つけられない。それは明らかに異常だった。
刹那、恐ろしい戦慄が脳裏に響き、俺はダッシュでカーンに駆け寄った。
「カーン、ちょっといいか?」
「およ?どうした。そんなに慌てて」
「前回、トリスタンはどうやって負けたんだ?」
カーンは一瞬茫然とした後、苦々しく顔を歪めながら答えた。
「ありゃあ、酷かったぜ。トリスタンもガノンも勝敗に納得して居なかったからな。運がねぇよ。地面の窪みに足を引っ掻けちまうなんて」
「…………っ!!キリトォ!!」
確信は無かった。だが、もしも予想が外れていなかったなら、俺はそれを看過する事は出来なかった。
突然怒鳴り声を上げた俺にカーンがビクッ、と巨体を震わせ、キリトは素早く飛び立つと俺の元に飛んできた。
「カーン、キリト。信じられないかもしれんが、俺にはこの勝負―――」
俺は脳裏に閃いた推理を語った。2人の反応は疑惑、迷い、そして困惑に変わっていった。
たかが昨日知り合った俺の言うことをカーンが信じるかが唯一の心配だったが、それすらも吹き飛ぶほど、その内容には戦慄した。
むしろ、カーンが前回の試合を間近で見ていたこと、それ自体がカーンの中の認識を書き換えた。
「……勿論、ただの憶測だ。だが……」
「確かに辻褄は合っているな……」
カーンは暫く瞑目し、やがて目を見開いた。
「レイ、キリト。……根拠はないが、お前達
は信用できそうだ。皆には俺から説明しよう。頼む、ボッシュを、止めろ!」
カーンが反転し、他の仲間の下へ歩んで行く。
「キリト、お前も下がってろ。2人同時にやられちゃかなわん」
キリトはかなり不
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