After days
fall
決戦の暗雲
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減っていき、そして―――、
『Fight!!』
両軍の間で白い閃光が弾け、それが収まったときは既に双方の前衛は衝突しようとしていた。
「「「「オオオオォォォォッ!!」」」」
幾重の咆哮が重なり、地鳴りの音と共にコロシアムが激震した。
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Sideアスナ
「これ程の規模になると、迫力が段違いだね……」
「このゲーム、プレイ出来る自信がないです……」
20匹に及ぶ大小様々な大きさの動物が相手に噛みつき、爪を立てている。
昨日の内に詳しく容貌を聞いておいたキリトとレイの姿も今日はばっちり追えていた。
20匹の中で唯一の飛行型らしいキリトは上空から果敢に敵の目や鼻先を狙ったりして隙を作っている。片やレイは機動力を駆使して敵を翻弄し、味方がつけ入る隙を作っていた。
2人の行動が結果的に同じ効果を生み出しているのは事前の作戦か、はたまた偶然か。
2人の性格からして『攻め』に転じないのは、チーム全体の作戦のためか、あるいは―――、
相手の隙を作りつつ、敵陣の奥へ切り込んで行ったレイがその中で一際大きな熊と対峙していた。
熊の右前足が赤く光り、鋭く突き出される。
レイはそれを紙一重でかわし、続けて熊の両脇に控えていたピューマの挟撃を巧みにかわす。
3匹は隙のない連携攻撃を繰り出すが、レイは全てバックステップやサイドステップによる回避で対応する。
所々に起きる連携の合間を縫ってレイは反撃に転じて熊やピューマに攻撃しようとしているが、それは成功していない。
「あ……!!」
「どうしたの、セラちゃん?」
途端にセラが目を見張って身を乗り出す。まさか、2人が何か致命的なミスでもしたのかとひやひやしたが、彼女の目に焦燥の光りはない。あるのは驚きだ。
「敵陣営の形を見てください」
セラが珍しく興奮した様子で画面を指差している。何事かとリーファと顔を見合わせてから画面を食い入るように眺める。そして―――
「これは……?」
レイが背後の3匹を戦線まで引っ張り、キリトが逆にサイドの動物達を中央に押し込んだ結果、敵陣は円状になっていた。
「集団が同数の場合、敵を固めて囲むのは得策とは言えません。しかし、あえてこの形にしたという事は、何か特別な策が―――」
セラがそこまで言った瞬間、とんでもなく大きな音が鳴り響き、画面いっぱいに土煙が覆った。
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