After days
fall
決戦の暗雲
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、俺は先に行ってるからな」
言うなり背中から飛び降りると地面に潜っていき、消え去った。
「……まぁ、それは頼もしい、って事にしとくか」
「……そうだな」
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マントを羽織った俺とスカーフを巻いたキリト(黒いから分かりずらい)が集合場所である控室にやって来ると、同じくマントやスカーフを巻いた《荒野》のチームがたむろしていた。
「おう、ちょうど良かった。これから作戦会議だ。こっちゃ来い!」
カーンが鼻をクイクイ、とやって俺達を呼ぶ。
環の中心付近まで入り込むと、メンバーが一望出来た。
前衛にはゾウのカーンを始め、カンガルーやラクダといった重量系動物計五匹。後衛には大将のトリスタン、ボッシュ、同型のモグラ一匹だ。
「俺達は何処に?」
「遊撃を頼みたい。状況に応じて対応してくれ」
とても初心者に対する指示とは思えなかったが、腕前は目の前で散々見せてしまっているので、今さらだろう。
作戦会議と言っても大した事は話されず、時間を知らせる鐘と共にフィールドへの柵が開いた。
先頭が闘技場に足を踏み入れた途端、上から圧倒的な音量の叫び声が降ってきた。
思わず観客席を見上げると、予選の時よりも満員な状態のスタンドがあった。
俺は少し疑問に思って頭の上のボッシュに問いかけた。
「この世界のプレイヤーってんのは必ず集落に所属しているのか?」
「んー、いや、集落に所属している奴の方が少数派だな。世界の四方の端にある各集落に所属していなければ、こういった大規模なイベントには出られないが、メニューウィンドウのオプションからお手軽に脱退出来る」
「マジか……」
話を聞いていたキリトも口を半開きにしながら驚いている。
「世界の中心には円形に巨大な山脈が連なっていてな。そこを越えると《桃源郷》がある、って噂さ。集落を脱退したやつらは大半がそこを踏破しようと日夜山登りしているのさ。……あるかどうかも分からねぇ、希望にすがりついて『フリープレイヤー』を気取っていんのさ」
「ふうん?まだクリアは出来ていない、ってことか……」
ボッシュの物言いにチリ、と頭を何かがよぎるが、今集中しなければならないのは眼前の敵だ。
双方が位置に着き、にらみ合いを始めると、会場は突如として静まった。
「2人とも、作戦は聞いてたな?序盤はとにかく突っ込め。出来たならガノンのやつを消耗させるんだ」
「おう」
「ああ」
するりと地面に降りたボッシュはそのまま身を伏せて試合開始を待っている。
カウントが徐々に
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