暁 〜小説投稿サイト〜
異世界では詐欺師が勇者をやっていますなんてよくある咄(はなし)だよねぇ?
始まりのお伽噺
第一章
第一話 詐欺師は勇者としてよびだされたようです。
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貴族が着ていたような服を着ている男性、極め付けは鎧の甲冑に兜をつけ腰には両手権を携えている人だ。
まず日本ではないな。
ていうか、現代かどうかも怪しい。
タイプスリップして中世ヨーロッパにでもとんだかな?
心当たりがあるから恐ろしくリアリティがあるんだけど。
まあいいや。
今のところはあまり関係ない。
こうしてみると周りにいるのはほとんど男性だった。
鎧をつけている人たちは誰もが筋骨隆々といったごつい体格をしている。
――ちょっとまずいかな。
寝ていたとはいえ、完全武装して体格がいい男性たちに囲まれているというのはあまりよろしい状況ではない。
ボクは、冷静さを装って注意をその鎧を着ている男性たちへ向け、今度は部屋全体を観察した。
広いな。それが最初に浮かんだ感想。
豪邸とか、さっきも言ったが教会とか、そんなレベルの広さがある。
少なくとも一般のサラリーマンが住んでいるような家ではい。
いや、まあ、住んでてもいいけどさ、サラリーマン。不景気だけど頑張れ。負けるな。不景気だけど頑張れ。負けるな。
しかし、古臭いな。次に浮かんだのはそんな感想。それに、暗い。
ていうか、よく見れば照明器具などは一つとしてなかった。
産業革命以前の時代とか。そんな印象。
窓から入る日光の明かりだけを頼りとして生活しているようだ。
そうなるとガスとか水道とか、そういったライフラインは期待できそうにないな。
段々と自分がどのような立場に置かれているのかが理解できていく。
あまり喜べるような立場ではなさそうだな。
都会っ子のボクには少しばかり厳しい。
考察はさておき、もっと細部にまで目を凝らしていく。
かなり大きめな木製の扉、無駄に装飾がされてきらびやかになっている壁や床、そしてあの立派そうで豪華そうで雄大そうで威風堂々っといった感じの雰囲気がする絢爛豪華な椅子。
……玉座かな。
ローマ教皇が座ってツイートしてそう。
とにかく偉くて立派な部長程度じゃあ座れそうにもない椅子だ。せめても係長クラスまでは登り詰めないと掃除すらさてくれそうにもない。
いや、別に企業でたとえただけであって他意はないよ?ホントほんと。
鎧、中世ヨーロッパ、玉座、サラリーマン。いろいろな思考がボクの頭の中を駆け巡る。だが、どれもこれも現実味のない御伽話のような絵空事ばかり。一つ言えることがあるとすれば、ボクが住んでいたところとは全く違うようだ。
再び言うけど、ボクは都会っ子だ。都会で生まれて、都会で育って、都会で生きてきた。
こんな空間はまるで異世界だ。……いや、『まるで』じゃなくて異世界そのもの?
まさか――
「目覚めてそうそう、混乱しているところす
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