暁 〜小説投稿サイト〜
自由気ままにリリカル記
二十四話〜壊れてしまえば終わり〜
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隠がデバイスで武器を受け流し、目の前で気味の悪い笑みを浮かべる三人に冷静な声で聞くが、無理矢理冷静にしようとしているのかその声は震えている。

「うふふ……どういうつもりですって? それは勿論そこのゴミを殺そうとしただけですよ? 私のハーレムを邪魔する奴らは死んでしまえばいいんです。……そう、こいつらを殺してしまえば……まだ私にもチャンスはある……」
「そう! お前ら転生者はただ大人しく殺されていればいいんだよ!!」

秋山が何か自分に言い聞かせるように不気味に答え、津神もそれに追随するように叫ぶ。

「だからね……」

ただただ、殺す殺すと連呼するだけなら性質の悪い転生者で通すつもりだったが。

「俺達のために……」

なんだ……

「「「死ね!!」」」

……ただの悪人か。



三人が叫んだ瞬間。俺は三人の前に移動していた。
なんてことない。ただの数メートル程度……肉体の痛みを度外視すれば、まばたきするよりも速く到達することだって可能だ。
一瞬で目の前に現れた俺に秋山と津神の体は驚きで硬直し、佛坂に至っては腰を抜かしている。……軟弱な奴だ。
無言で俺は秋山の顔を右手で、津神の顔を左手で掴み、呪う。
効果は視力を一年失うこと。
代償は五ヶ月のリンカーコアの停止。

呪いが成功した証として二人の足元から黒い煙に溢れ出て、包み込む。その色は隠を包み込んだ黒色とは違い、禍々しい色をしている。

「な、なんだ!? 目の前が真っ暗になったぞ!?」
「わ、私の目はどうしたの……? 何? 真っ暗じゃない! 何をしたのよあんた!!」

すると二人は目を抑えて悶え始めたため、手刀を二人の首元に落として気絶させる。
佛坂も気絶させようかと振り向くと、既に隠が佛坂をバインドで捕獲していた。
それに近づき、同様に気絶させる。

「門音……。お前、二人に何をしたんだ?」
「呪った。多分一年は何も見えねえだろうな。俺の能力の一つだ」
「そうか……」
「それより……テスタロッサ!! そこにいるんだろう?」
「なに!?」

俺が呼びかけると隠も知っていたのか動揺することなくテスタロッサがいるであろう方向を見るが、神白は呆然としていたからなのか、かなり驚いていた。
少し待つと、俺達が入ってきた扉から警戒しながら出てきた。

「……いつから知ってたの?」
「ここに転がってた女が縁を殺したあたりで」
「そんなに早くから……」
「まあな。母に会いに行くんだろう? 急ぐぞ」

テスタロッサが無言で頷いた事を確認すると俺達は走り出した。

「神白鋼。一人で大変だと思うが、こいつらをアースラに戻してやってくれ。出来るだろう?」
「おう。そこまで魔力を消費してないはずだからいける。……
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