暁 〜小説投稿サイト〜
IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-40 gears of destiny
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
同じように開いた手で取った。
真ん中にマドカ、右側に麗矢、左側にスコール。
右から、銀、黒、金と髪の色はばらばらだが、その姿は親子に見えなくもなかった。
◯
「いいってよ、れーくん。最後の余興だって」
束は顔は笑っているが、目が笑っていない。
目に浮かぶは悲しみ。
涙がこぼれ、笑っているのに涙をこぼしている姿になった束。
幼いころからの親友にも見せたことの無い涙。
束は思い出す。
これで泣いたのは二度目ということを。
一度目は世界から指名手配されて、恐怖におびえて泣いてしまった時。
二度目は今。麗矢は自分の死に際を分かっている。そして、束もそれを分かっている。
麗矢は、死に場所を一夏との戦闘に賭けた。
そして、楯無も裏に身を置くためか、束の表情から読み取れた。
麗矢のことを――――
だが、一夏はそんなこと知らない。
束がそれとなく麗矢のことを示唆するようなことを言ったのに、全く気付くことがなかった。
ただ、純粋に麗矢との戦闘を楽しみなようだ。
麗矢が考えていることが分からないがための楽しさなのだろう。
束と楯無はみんなが寮に帰るまで、気丈に振る舞った。
その間は麗矢のことについて全く触れようとしなかったが。
そして、寮に帰るときになって、束と楯無は残った。
適当に言いくるめて、先に帰るようにと言った。
「君は気付いたんだね……」
「はい……それと私にはちゃんと更識楯無っていう名前があるんですけど」
「はははっ、ごめんごめん」
「………まあ、私の本名を知っている人は少ないですが」
楯無は更識家17代目当主。故に本名は名乗れない。
それを束は何処から知ったのか、すでに分かっていた。
「……束さん」
「……うん、そうだよね。たっちゃん」
二人は抱き合う。
そして、互いに顔を隠すようにしてから、涙をこれ以上人に見せないように泣いた。
永遠と涙が枯れるまで泣く事を止めなかった。
二人に麗矢を止めるという選択肢はない。
ただ、麗矢の意思を尊重して、何も言わない。
こんな悲しみを今、味わうのは私たちだけでいい。
麗矢が好きな者同士、だけどまだあとの二人には教えない。
月明かりが総合病院のエントランスロビーにいる二人を照らし続けていた。
◯
千冬は自分に割り当てられている寮室でとある映像を見ていた。
ここに来てからの麗矢の戦闘記録である。
千冬は麗矢の攻撃に違和感を持っていた。
どこか引っかかるような感じのものを。
『ジェノサイド』からおかしかったのだ。
「――――ん?」
千冬は麗矢が大技を使う時の共通点を見
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ