エイプリルフール記念 番外編その1
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スタンドを操り、何かをしようと企んだ。しかし…
「なぜだっ!なぜ動かないっ!」
無駄だ。尾獣すらその瞳力で操れると言われているのだ。この距離で万華鏡写輪眼から逃れられる訳が無い。
俺は男のスタンドを操ると振り向かせ、そのコブシで男の胸を貫いた。その勢いで壁を貫通し男は何処かに吹っ飛んで行ったが、同じくスタンドもその胸部に穴を開けて吹き飛んでいった。
どうやらスタンドとスタンド使いは互いにリンクしているようだ。つまり負ったダメージは双方に反映されると考えていいだろう。
「父さんっ!母さんっ!」
俺は駆け寄ると直ぐに彼らの時間を巻き戻して傷を塞ぐ。しかし…
「ダメ…か」
失った命はたとえ時間を戻しても戻らない。魂を戻す事が俺には出来ないからだ。
時間を巻き戻し、外傷の無くなった彼らはただ寝ているようだったが、その命の鼓動は二度と動く事は無い。
「あああああああっ!?ちくしょうっ!久々にこんな理不尽を味わったよっ!…アイツは絶対に許さない」
『マスター…』
心配するように胸元のソルが呟く。
俺の両目からは止め処も無く涙があふれる。
良い人たちだったのだ。子供らしい事は演技しか出来ない俺に何処か違和感を感じていただろうに、それでも愛情を込めて家族として育ててくれたのだ。
油断はしなかったつもりだ。あの男の一挙手一投足もこの写輪眼を越える速度で動くなど不可能に近いはずなのだ。
しかし、両親を貫いた彼のスタンドが出現するまで全くその動きを捉えられなかった。
「瞬間移動の能力…では無いよな。彼らを貫いてからこの部屋にテレポートしてきたにしては俊敏すぎる」
『はい。一瞬であれ、アレだけの事をやってっ戻ってくるには時間が足り無すぎます』
そうだ。どんなに素早く動いたとしても不可能だ。
「だったら何だ?まさか時間を止めたなんて事は…いや、ありえるのか。俺も時間を限定的に操れるからな」
『そうであればさらに彼の能力は異常です。そうであれば彼は止った時間の中を動けると言う事ですから』
「…そうか」
それはかなり絶望的な戦いになりそうだ。胸に大穴を開けてやったが、どうしてもあの程度で死ぬような相手には感じられなかったのだ。
しかし、俺は必ずアイツを殺す。それだけは両親の前に誓う。
カチャリと俺は落ちていた矢を拾い上げる。
「ソル、預かっておいてくれ」
『了解しました』
格納領域に矢をしまいこむと『円』で感知していた彼が圏外に逃げた事を悟る。
「天照の炎は全てを焼き尽くすまで燃え続ける。だが、確実とは言えないか」
ウーウーウーッ
追跡に出ようかと思ったが、先ほどの男が派手に壁を吹き飛ばしていった結果、警
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