エイプリルフール記念 番外編その1
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次の日、俺は奇妙な感覚に悩まされる事になる。
食器棚の高いところにあるグラス。当然今の身長では椅子などの踏み台が無ければ届かない。だが、手を伸ばすだけで取れるのではないかと言う奇妙な感覚。しかし、何故か俺は出来るのでは無いかと確信していた。
不思議な感覚に逆らわずに右手を伸ばすと、俺の右手から俺のではない何か別の右手が飛び出して目的のコップを掴んだ。
良く見ればその手は透けている。そしてこの感じはオーラと同様のものだ。
「こ…これはっ!?」
『マスター、その腕はいったい!?』
ソルも驚いたようだ。
コップを掴んだ手はするすると戻り、再び俺の体へと戻った。
「分からない…今のは…」
今度はもう少し遠くの物を掴もうと考える。
すると再び現れた手は肘から肩へと出てきて、ついにはその全身が現れる。
身長は自分と同じくらいの半透明の人型。体のあちこちに剣十字のマークがプリントされ、その両目には写輪眼が浮かんでいる。
その半透明の幽霊のような人型は俺の意思を汲んだように自在に操れるようだ。
「新たな念能力か?しかし、俺はそんなものを意識した事は無い…」
そんな事を考えている時、ガチャリとドアを開けて母親が入ってきた。
「アオ、お昼ご飯…何しているの?」
俺はこの人型の幽霊を見られたかと焦ったが、母さんは俺を見るだけで、特に何か怪しいものが居るとは感じていないようだ。
つまりこの幽霊は見えていない?まぁ、念能力のようにオーラで出来ているようだし、そう考えれば一般人には見えなくても問題ないのだが…
「ううん。なんでもないよ。それより母さん、おなかすいたよ」
「今作るわ。パスタで良いかしら?」
「うん」
とりあえずその場を適当にごまかし、その幽霊に戻れと念じると俺の体に吸い込まれるように消えていった。
何か変な能力が身についてしまったが、とりあえず後で何が出来るか考察せねばなるまい。
結局、分かった事は多くない。どうやらこの幽霊は俺の念能力が形を持ってしまったものではないか?と言うのが俺の見解だ。
幽霊の触った物体の時間を操れるのだからおそらく間違いないだろう。…ただ、今までの俺の能力では触り続けていなければいけなかったのだが、手を離しても能力が持続しているのは俺の能力が進化したと言う事だろうか?…分からない。
それから数日経ったある日の夜。
突然嫌な気配に襲われて俺は飛び起きた。
ベッドの上から上半身を起こし、片膝を立てベッドを降りようとした時、部屋の入り口に背の高い筋肉質の男の姿が見えた。
「誰だ…?」
その男は月明かりの影に入り顔は良く見えなかったが、その態度から自身が強者であると疑わ
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