第二章 A's編
第五十四話 『救済と戦闘準備』
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になり、
「先程もいっただろう。私は君達全てを救うとな。履き違えるな?
…と、言ってもここまで来れたのはいいが私のできることはないに等しい」
「ではなにをしに来たというのだ?」
「はやての背中を押しに来た、と言えばいいか?」
「なに…?」
私の背中を押しに来たってどういうことやろう?
「はやての中から見ていたがシグナム達はシホと私にはやてのすべてを任せて消えていった。
その想いに報いるためにもはやてにはある事をしてもらいたい」
…あ、思い出した。そうや。シグナム達は私に家族の誓いのような言葉をかけながら消えて行ったんや。
それで私は目に涙を溜める。
「はやて…お前にしてもらいたい事というのはな」
「うん、話して士郎…」
「闇の書の主として管理者権限を行使して、ここにいる闇の書と今外で暴れている闇の書の両方を止めてもらいたいのだ」
「え、でもどうやって…」
「それは直接闇の書に聞けばわかることだ。私もすべてを知っているという訳ではないからな。
しかし、掌握できなければこのままでははやては闇の書に飲み込まれて死んでしまうことになる。
おまけに暴走した後は外の世界を魔力がつきるまで破壊する権化とかしてしまうのだ」
「そ、それは嫌や! そないなことしたくない!」
「だから暴走するまでに闇の書に管理者権限の取得方法を聞き出すんだ」
士郎はそう言って闇の書に目を向ける。
それに闇の書は反応を示すが、
「……………無理です。私では暴走を止めることはできません。
自分ではどうしようもならない力の暴走。あなたを侵食することも、暴走してあなたを喰らいつくしてしまう事も、止められない…」
闇の書はそう言って悲しみの顔をする。
でも、なんとかしないといけない。
幸い覚醒の時に色々とわかった事がある。
ただ悲しんでいるだけじゃダメなんや。
「士郎がさっき言った言葉。『夢はいずれ醒めるもの』。もう私は十分休んだ。
どんなに幸せの夢を見ていようともそれは胡蝶の夢でしかない。
それなら私は現実を見て歩いていきたい。どんな辛い現実がこの先にも待っていようとも…守護騎士の皆や士郎…それにあなたがいれば乗り越えていけると思うんよ」
「主…」
「それに私はそんな事を望んでいない。だから…闇の書、あなたの力を貸して…!」
その時やった。なにかこの空間にヒビが入ったような感じがした。
「来たか…」
士郎がそう言う。
「馬鹿な…! 士郎はともかく取り込まれたものが夢から醒めて、しかもここまで侵入してくるなんて!」
誰かが入ってきたみたいや。
誰やろうと見てみるとそこには士郎と似たような格好をしているシホちゃんの姿があった。
「士郎のラインを辿ってきたけどたどり着いてよ
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